辞書の適切な使い方

英語の辞書は英語学習にはなくてはならないものですが、正しい引き方、使い方を知っていれば、複数の参考書を使うよりも効果的で確実な英語の理解が得られるものです。

英和辞典の引き方

音声中心の「外国語活動」に慣れ親しんだ小学生から、文字が出てくる中学英語にスムーズに入って行けるように、言葉を正しく理解しましょう。 そのためには、まず辞書の使い方を知っておく必要があります。辞書には単に言葉の意味だけ教える機能だけでなく、様々な機能が備わっています。 その特性をよく理解して、最大限に活用しましょう。ここでは、主に受験生が効率よく英語を理解するという観点からその使い方を学びます。

まずは、英語を習い始めた人のために、辞書の引き方をおぼえましょう。「辞書」は英語で、dictionary です。 この \(‘dictionary’\) という単語を辞書で引くとき、アルファベットの文字順に探します 。辞書に載っている単語は、すべてアルファベットの文字順に並べられているので、 次のような方法で探します。

\(\boldsymbol{d}\) 第 \(1\) 文字 abc ... 辞書のアルファベット \(\boldsymbol{D}\) の固まりの部分を開く
\(\boldsymbol{i}\) 第 \(2\) 文字 abc ... \(\boldsymbol{D}\) の固まりから \(d\) に続く \(2\) 文字目の \(\boldsymbol{i}\) を見る \(\color{blue}{⇒\;d+i}\)
\(\boldsymbol{c}\) 第 \(3\) 文字 abc ... \(\boldsymbol{di}\) の固まりからそれに続く \(3\) 文字目の \(\boldsymbol{c}\) を見る \(\color{blue}{⇒\;di+c}\)
\(\boldsymbol{t}\) 第 \(4\) 文字 abc ... \(\boldsymbol{dic}\) の固まりからそれに続く \(4\) 文字目の \(\boldsymbol{t}\) を見る \(\color{blue}{⇒\;dic+t}\)
\(\boldsymbol{i}\) 第 \(5\) 文字 abc ... 同様に \(5\) 文字目の \(\boldsymbol{i}\) を見る \(\color{blue}{⇒\;dict+i}\)
\(\boldsymbol{o}\) 第 \(6\) 文字 abc ... \(6\) 文字目の \(\boldsymbol{o}\) を見る \(\color{blue}{⇒\;dicti+o}\)
\(\boldsymbol{n}\) 第 \(7\) 文字 abc ... \(7\) 文字目の \(\boldsymbol{n}\) を見る \(\color{blue}{⇒\;dictio+n}\)
\(\boldsymbol{a}\) 第 \(8\) 文字 abc ... \(8\) 文字目の \(\boldsymbol{a}\) を見る \(\color{blue}{⇒\;diction+a}\)
\(\boldsymbol{r}\) 第 \(9\) 文字 abc ... \(9\) 文字目の \(\boldsymbol{r}\) を見る \(\color{blue}{⇒\;dictiona+r}\)
\(\boldsymbol{y}\) 第 \(10\) 文字 abc ... \(10\) 文字目の \(\boldsymbol{y}\) を見る \(\color{blue}{⇒\;dictionar+y}\)

辞書の各ページの \(1\) 番上の欄には、ページ数とそのページの最初に出てくる単語が「見出し」として載っています。第 \(2\) 文字目降を探すとき、この見出しを使うと便利です。 たとえば、 cap, cat, chair, cut の \(4\) つの単語のうち、辞書に出てくる順番を明らかにするのに、どのようにして見分ければよいでしょう。

/ 第 \(\boldsymbol{1}\) 文字 [順番] 第 \(\boldsymbol{2}\) 文字 [順番] 第 \(\boldsymbol{3}\) 文字 [順番] 第 \(\boldsymbol{4}\) 文字 [順番] 第 \(\boldsymbol{5}\) 文字 [順番]
cap \(c \quad [\;3\;]\) \(\color{red}{a \quad [\;1\;]}\) \(\color{red}{p \quad [16]}\) \("\;"\) \("\;"\)
cat \(c \quad [\;3\;]\) \(\color{red}{a \quad [\;1\;]}\) \(t \quad [20]\) \("\;"\) \("\;"\)
cut \(c \quad [\;3\;]\) \(u \quad [21]\) \(t \quad [20]\) \("\;"\) \("\;"\)
chair \(c \quad [\;3\;]\) \(\color{red}{h \quad [\;8\;]}\) \(a \quad [\;1\;]\) \(i \quad [\;9\;]\) \(r \quad [18]\)

このようなやり方で求められます。それぞれの文字の右の数字はアルファベットの文字の順番を表しています。 それぞれの単語において、\(c\) の次の \(2\) 文字目以降のアルファベットの順番が分かれば、 辞書に出てくる順番が割り出せます。この場合は、\(3\) 文字目で出て来るアルファベットによって判断でき、

\[cap \hspace{5px} → \hspace{5px} cat \hspace{5px} → \hspace{5px} chair \hspace{5px} → \hspace{5px} cut\] の順となります。

英和辞典の活用

辞書の使い方については、それぞれの辞書のただし書きに書いてありますが、その中から特に知っておいてほしい項目を述べますので是非参考にしてください。

・基本単語の表示
星 \(\boldsymbol{2}\) つ \(**\) :最重要基本語 約 \(\boldsymbol{2000}\) 語
星 \(\boldsymbol{1}\) つ \(*\) : 重要基本語 約 \(\boldsymbol{5000}\) 語
プラス \(+\) :その他の基本語 約 \(\boldsymbol{8000}\) 語

見出し語の前に星印の付いたものが、基本単語と言われるもので、\(**\) は主に中学校で習うべき最も重要な単語で、\(*\) と \(+\) は高校生以降に学ぶべきものとして設定されています。

・つづりの切れ目
つづりの切れ目は音の切れ目、音節を表し、見出し語を中丸 \(\cdot\) で区切って表す。

a・go [ago](\(2\) 音節), dic・tio・nary [dictionary](\(3\) 音節 )

・発音記号:見出し語の直後に \([\hspace{14px}]\) で表示

dictionary [díkʃənèri]

日本では、英語の発音は(米音)を重視する傾向があります。

ask [ǽ:sk | ά:sk]

上記の場合、\([\;|\;]\) の記号で分けられた左右 \(2\) 種類の発音の仕方があることを示しますが、左側が(米音)で右側が(英音)になります

grandmother [grǽn(d)mʌ̀ðɚ]

(  )中の発音記号は、省略可能な音であることを示しています

*単語の発音において、使い方によっては there のように、強弱 \(2\) つの仕方があり、その場合、

there [ðéɚ | ðɚ]

のように、強い発音の場合、アクセントが生じますが、弱い発音では、アクセントがなく、あいまいな発音になります

・アクセント
 発音記号の母音字上の \(/\; ′\; /\) は第 \(1\) アクセントを示し、\(/\;`\;/\) は第 \(2\) アクセント を示します (上記発音記号[  ]内を参照) また、 \(2\) 語以上の見出し語の場合は、その見出し語に直接アクセントをつけます

ápplepìe, eleméntary schòol

・語形変化 各品詞の語形変化は(  )で示します \begin{eqnarray} & &\small{名詞の複数形}\\[5px] & &\hspace{14px}:\;(複 \hspace{5px} -s, \hspace{5px} -es)\\[5px] & &\small{形容詞、副詞の比較変化}\\[5px] & &\hspace{14px}:\;(-er, \hspace{5px} est)\\[5px] & &\hspace{14px}:\;(more-, \hspace{5px} most-)\\[5px] & &\hspace{14px}:\;\small{(比較変化なし)}\\[5px] & &\small{動詞の語形変化は不規則変化のみ表示}\\[5px] & &\hspace{14px}:\;(took\;;\;taken) \end{eqnarray}

辞書の巻末に不規則動詞活用表があります。入試では、発音やアクセントに関する問題が必ず出題されます。日ごろから意識して覚えるようにしましょう。 動詞の不規則変化はそれぞれ単独で覚えなければならないので、重要単語はすべて暗記してしまいましょう。

・語 義
 星印基本単語でとくに重要な語義は、一目でわかるよう太字で示します

英英辞典の活用

ほとんどの受験生は、英和辞典や和英辞典を使い、英英辞典を使う人は少ないようです。最近の高校入試や大学入試の傾向として、次のような単語関連問題を目にします。

例 題

「書かれている文章の内容に最も当てはまる英語 \(1\) 語を空所に書きなさい。ただし、アルファベットが与えられている場合はその文字で始まる語を書きなさい」

\((1)\) the top covering of a building, car, and so on \((\hspace{60px})\)
\((2)\) Many people like to go to the place to swim, fish and have fun during the summer. \((o \hspace{60px})\)

\((1)\) は \(\boldsymbol{roof}\) という単語の意味の \(1\) つを表すものとして、英英辞典に書かれています。

「建物や車などのてっぺんのおおい」

また、\((2)\) は、「夏の間、多くの人々がその場所へ泳いだり、魚を釣ったりして楽しむために訪れます」という内容から「」を表す単語を書きますが、アルファベットの \(o\) で始まる同じ意味の語を書かなければならないので \(ocean\) とします。\(ocean\) を英英辞典で引くと、初めに「\(sea\)」という語が現れます。このように、英単語の「定義」をたずねる問題では、その単語の意味を英語で表現しているので、日ごろから英英辞典を利用していると、このような表現に慣れるようになります。

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