形容詞と副詞Adj. Adv.

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副 詞

  • 副詞(ふくし)は形容詞と同じ修飾語ですが、修飾するものが形容詞とは異なり、動詞や形容詞、他の副詞を修飾します。次の \(2\) 文はどちらも、「私の犬は足が速い」という意味を表しますが、それぞれの fast のはたらきが異なります。

\(\boldsymbol{1)}\) 速く走る

My dog runs \(\boldsymbol{\color{blue}{fast}}.\)
私 の 犬 は 走 る 速 く
\(M\) \((S)\) \((V)\) \(M\)

\(\boldsymbol{2)}\) 速 いランナーだ

My dog is a \(\boldsymbol{\color{blue}{fast}}\) runner.
私 の 犬 は で す \(1\) 人の 速 い ランナー
\(M\) \((S)\) \((V)\) \(M\) \(M\) \((C)\)

  • \(1)\) は、「速く」という意味の副詞で、〈走る〉という動作の有様を説明し、\(2)\) は 「速い」という意味の形容詞になり、直後の runner の様子を限定します。

形容詞 : 修飾語 (代)名詞を修飾して様子を限定
補 語 (代)名詞の様子を説明
文の要素になる
副 詞 : 修飾語 主に動詞の有様を説明
文の要素にならない

副詞のはたらき

\(\boldsymbol{a)}\) 副詞が修飾するもの
ふつう、副詞は動詞のほかに、形容詞別の副詞のを修飾して、そのありさまを説明します。

〈動詞を修飾〉
ジェーンは日本語を上手に話します
上手に \(⇒\) 話す

Jane speaks Japanese \(\boldsymbol{\color{blue}{well}}.\)
ジェーンは 話 す 日本語を 上手に
\((S)\) \((V)\) \((O)\) \(M\)

〈形容詞を修飾〉
私はとても忙しい
とても \(⇒\) 忙しい

I am \(\boldsymbol{\color{blue}{very}}\) busy.
私 は で す とても 忙しい
\((S)\) \((V)\) \(M\) \((C)\)

〈副詞を修飾〉
姉は細心の注意を払って運転します
まったく \(⇒\) 慎重に

My sister drives \(\boldsymbol{\color{blue}{quite}}\) carefully.
私 の 姉 は 運動する まったく 慎重に
\((S)\) \((V)\) \((O)\) \(M\) \(M\)

\(\boldsymbol{b)}\) (代) 名詞を修飾する
副詞は、ほかにも (代) 名詞を修飾しますが、副詞によって修飾のし方が異なります。

前から修飾する副詞

quite (まったく、すっかり) even (~でさえ)
about (およそ) around (およそ)
only (わずか)など

That store opens (at) about ten thirty. そのお店は \(10\) 時半ごろオープンします。
about \(→\) ten thirty およそ \(10\) 時半に
Even a child has a cellular phone. 子供でさえ携帯電話を持っている。
even \(→\) child
It's quite a movie. それはなかなかの映画だ。
quite \(→\) movie
Jim has only one thousand yen with him. ジムは手元に千円しか持っていない。
only \(→\) one thousand

  • quite [kwáit] が名詞を修飾すると、 quite + a(an) + 名詞 の語順になります。上の例文では、「なかなかの(たいした)映画」と、まるで形容詞のように訳しますが、驚きや賞賛を表して、「実に、並外れて」という意味になります。

後から修飾する副詞

alone (~だけ)など

She alone could answer the question. 彼女だけがその問題に答えられた。
she \(←\) alone
The man lived by water alone for a week. その男性は水だけで \(1\) 週間生きた。
water \(←\) alone

前後から修飾する副詞

only (ただ~だけ)など

Only he came here. だけがここへ来た。
\(=\) He only came here.
名詞を修飾する場合、いずれも he 強く発音します。

副詞の形

  • 副詞には \(2\) つの形があります。

\(\boldsymbol{a)}\) それぞれ本来の形 \(:\) now, very, there ...
\(\boldsymbol{b)}\) 形容詞 \(\boldsymbol {+\;ly}\) の形 \(:\) beautifully, carefully ...

\(\boldsymbol{\star}\) 形容詞 + ly
形容詞に -ly がつくと副詞になります。-ly は「接尾辞(せつびじ)」といって、副詞をつくることばです。-ly のつくり方は以下の通りです。

\(\boldsymbol{1)}\) -ly だけつける
careful \(→\) carefully, slow \(→\) slowly

\(\boldsymbol{2)}\) 語尾が \(\boldsymbol{\color{red}{y}}\) で終わる語 \(⇒\) \(\boldsymbol{\color{red}{y}}\) を \(\boldsymbol{\color{red}{i}}\) にかえて -ly をつける
easy \(→\) easily, happy \(→\) happily

\(\boldsymbol{3)}\) 語尾が \(\boldsymbol{\color{red}{le, -ue}}\) で終わる語 \(⇒\) \(\boldsymbol{\color{blue}{e}}\) をのぞいて -(l)y をつける
simple \(→\) simplly, true \(→\) truly

\(\boldsymbol{4)}\) 語尾が \(\boldsymbol{\color{red}{ll}}\) で終わる語 \(⇒\) \(\boldsymbol{y}\) のみつける
full \(→\) fully

  • \(\boldsymbol{\star}\) 形容詞と副詞が同じ形のもの

early (早い、早く) enough (十分な、十分に)
fast (速い、速く) long (長い、長く)
high (高い、高く) hard (熱心な、熱心に)
late (遅い、遅く)など

  • 私の母は早起きです

My mother is an early riser.
\(←\) 早い起床者 〈形容詞〉
\(=\) My mother gets up early.
\(←\) 早く起床する 〈副 詞〉

  • \(\boldsymbol{\star}\) 同じ形の形容詞と副詞で意味の異なるもの

pretty 〈形〉:かわいい 〈副〉:かなり

〈形容詞〉
The girl is very pretty. その女の子はとてもかわいい
〈副 詞〉
This magazine is pretty interesting. この雑誌はかなりおもしろい。

\(\boldsymbol{\star}\) 語形が \(\boldsymbol{2}\) つに分かれるもの
\(2\) つの語形で同じ意味になるものと意味が異なるものがあります。

・同じ意味になるもの

bright - brightly 明るく clear - clearly はっきりと
loud - loudly 大声で slow - slowly ゆっくりと
smooth - smoothly なめらかに wrong - wrongly 誤って
  • どちらも同じ意味ですが、\(-ly\) がつかない方は動詞の後でしか用いることができない決まりがあります。

・意味が異なるもの

hard 熱心に \(⇔\) hardly ほとんど~ない
late 遅 く \(⇔\) lately 最 近
high 高 く \(⇔\) highly 非常に
near 近くに \(⇔\) nearly ほとんど
pretty かなり \(⇔\) prettily きれいに

He studied hard last night. 彼は昨夜いっしょうけいんめい勉強した。
He hardly studied last night. 彼は昨夜ほとんど勉強しなかった
否定の意味を含む
Christomas Day comes near. クリスマスが近づいています。
\(=\) 〈近くに〉来る
We nearly reach the top. もう少しで頂上に着きます。
\(=\) ほとんど頂上に達する

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