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作図 「垂 線」

ある直線や平面と直角に交わる直線を垂線(すいせん)といいます。 垂線は、垂直二等分線や角の二等分線を作図する方法を利用して作ることができます。ある直線と基準となる \(1\) 点があり、その点を通り、直線と直角に交わる垂線のかき方には \(2\) 通ります。

\(\boldsymbol{1)}\) 直線 \(\boldsymbol{l}\) 上にある点 \(\boldsymbol{P}\) を通る直線 \(\boldsymbol{l}\) の垂線の作図

まず、点 \(P\) を中心とする円をかき、直線 \(l\) との交点 \(A,\;B\) \(2\) 点を定めます。

\(P\) は円の中心ですから、線分 \(AB\) (\(=\)円の直径)の中点となります。したがって、点 \(P\) を通る垂線は線分 \(AB\) の垂直二等分線 ということになります。よって、その後は線分 \(AB\) の垂直二等分線を作図する方法で行います。

\(\small{①}\) 点 \(\boldsymbol{A,\;B}\) をそれぞれ中心とするような同じ半径の円を \(\boldsymbol{2}\) 点で交わるようにかく

\(\small{②}\) \(\small{①}\) でできた \(\boldsymbol{2}\) つの交点を結ぶ直線を引く

\(\boldsymbol{2)}\) 直線 \(\boldsymbol{l}\) 上の点 \(\boldsymbol{P}\) より下ろした垂線の作図

\(\boldsymbol{P}\) を中心とする円を \(\boldsymbol{l}\) と交わるようにかく

まず、点 \(P\) を中心とする適当な大きさの円を直線 \(l\) と交わるようにかき、その交点をそれぞれ \(A,\;B\) と定めます。

点 \(P\) と交点 \(A,\;B\) との関係は、\(PA=PB\)(円 \(P\) の半径)ですから、

点 \(\boldsymbol{P}\) は線分 \(\boldsymbol{AB}\) の垂直二等分線上の点

と考えられるので、点 \(P\) を通る直線 \(l\) の垂線は、線分 \(AB\) の垂直二等分線を作図する手順で求めます。 垂直二等分線を通る \(1\) 点 \(P\) はわかっているので、もう \(1\) つの点が決まればよいことになります。それには、 \(2\) 点 \(A,\;B\) を中心とする同じ半径の円をかきます。

線分 \(\boldsymbol{AB}\) の垂直二等分線を作図する

このように、直線上に \(1\) 点があってもなくても、

\(\small{①}\) 基準となる点を中心とする円を直線と交わるようにかく
\(\small{②}\) 円と直線との交点を定め、それらを中心とする円をかく
\(\small{③}\) \(\small{②}\) の \(\boldsymbol{2}\) つの円の交点と基準となる点を結ぶ直線を引く

という手順で、垂線を作図できます。

次の例題に移ります。下のような線分 \(AB\) を \(1\) 辺とする正方形を作図してみましょう。

正方形の定義は、

・正方形 すべての辺の長さが等しく、すべての角の大きさが等しい \((=90^{\circ})\) 四角形

であり、このような四角形になるように作図します。

\(\small{①}\) \(\boldsymbol{∠A,\;∠B}\) が直角 \((\boldsymbol{90^{\circ}})\) になるように線分\(\boldsymbol{AB}\)の垂線をかく

線分 \(AB\) の \(2\) 点 \(A,\;B\) をそれぞれ中心とする円をかくために、線分 \(AB\) の両端を延長して直線 \(AB\) にします。 次に、下図のように、\(A,\;B\) をそれぞれ中心の円と直線 \(AB\) との交点を中心とする同じ半径の円を交わるようにかき、それらの 交点と \(A,\;B\) を結ぶ半直線をかけば \(\color{blue}{∠A=∠B=90^{\circ}}\) の垂線が出来上がります。

\(\small{②}\) \(\small{①}\) でかいた半直線を線分 \(\boldsymbol{AB}\) と同じ長さにする

できた垂線の長さを線分 \(AB\) と同じ長さにします。コンパスを線分 \(AB\) の長さに合わせ、点 \(A,\;B\) それぞれに針をさし、同じ長さのところに印をつけます。その後、図のように印をつけた部分を結べば正方形ができ上がります。

作 図

作図の問題では、
どのように作図をしたかがわかるように、
引いた線やかいた円などは
消さないでおきます

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