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線対称と点対称

対称(たいしょう)は、「互いに対応してつりあっていること」を意味しますが、\数学では、\(1\) 点 \(O\) を通る直線上で、\(O\) についてそれぞれ反対の側にあって、 \(O\) から等しい距離にある \(2\) 点を、\(O\) について互いに対称であると定義しています。

線 対 称

ある直線を折り目として折り返したとき、両側の部分がぴったり重なる状態を線対称 (せんたいしょう)であるといい、そのような図形を線対称な図形といいます。 このとき、 折り目となる直線を対称軸(たいしょうじく)または、対称の軸 といいます。線対称な図形には対称軸が必ず \(1\) 本あり、複数の対称軸を持つ図形もあります

線対称な図形において、対称軸は対応する点を結ぶ線分の垂直二等分線になります。つまり、対応する \(2\) つの点を結ぶ線分は、

対称軸と垂直に交わる(直交する)
その \(\boldsymbol{2}\) 点は対称軸と \(\boldsymbol{2}\) 点を結ぶ線分との交点から等しい距離にある

ことになります。

次の図において、直線 \(l\) が対称軸となる線対称な図形をかいてみましょう。

\(\small{①}\) 対称軸の左側の図を形づくる線を結ぶ点を考え、下のように点 \(\boldsymbol{A,\;B,\;C,\;D,\;E}\) をとる

\(\small{②}\) 対称軸 \(\boldsymbol{l}\) が対応する点を結ぶ線分を垂直に二等分するように、点 \(\boldsymbol{A\;\sim\;E}\) に対応する点 \(\boldsymbol{A'\;\sim\;E}'\) を対称軸の右側にかく

\(\small{③}\) 点 \(\boldsymbol{A'}\) から点 \(\boldsymbol{E'}\) へと順に線を結ぶ

図形全体をとらえるより、図形を形づくっている点に注目してください。 いくつかの点が集まって、線でつながるとその図形になると考えれば、描きやすくなります。

  

点 対 称

ある点を中心として\(180^{\circ}\) 回転すると、もとの図形にぴったり重なり合う状態を点対称(てんたいしょう)でであるといい、そのような図形を点対称な図形といいます。また、このときの回転の中心となる点を対称の中心といいます。

この中では、平行四辺形のみが点対称になります。点対称な図形では、対応する点を結ぶ線分は対称の中心を通り、対称の中心によって二等分されます。また、 線対称な図形の対称軸が複数存在する場合があるのに対して、点対称な図形の対称の中心は \(\boldsymbol{1}\) つしか存在しません

線対称のところで用いた図形について、点 \(O\) が対称の中心になるように、\(180^{\circ}\) 回転した図形をかいてみましょう。

\(\small{①}\) 線対称な図形と同様に、左側にあるもとの図形を形づくる主な点の集まり \(\boldsymbol{A\;\sim\;G}\) を定める

\(\small{②}\) 点 \(\boldsymbol{A\;\sim\;G}\) から、対称の軸 \(\boldsymbol{O}\) を通り、それらに対応する点 \(\boldsymbol{A'\;\sim\;G'}\) を作図する

頂点 \(A\;\sim\;G\) から対称の中心 \(O\) を通る直線を引き、各頂点から中心 \(O\) までの長さをコンパスで測ります。 次に、点 \(O\) にコンパスの針を刺し、直線上の反対方向に各頂点に対応する点をとり、それぞれ点 \(A'\;\sim\;G'\) を定めます。

\(\small{③}\) 点 \(\boldsymbol{A'}\) から点 \(\boldsymbol{G'}\) へと順に線を結ぶ

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