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円とおうぎ形

弧は円の円周の一部分なので、中心角、弧の長さ、面積のうちどれかひとつがわかれば、そのおうぎ形が円のどれくらいの大きさかがわかります。

円周の長さと面積

円の定義 平面上のある \(1\) 点から等しい距離にある点の集まりでできている曲線

円において、曲線の長さをその円の円周(えんしゅう)といいますが、 円周の直径に対する割合を円周率といい、\(π\)(パイ)という記号で表します。
円周率 \((π)=\)円周 \(\div\) 直径
円周率の値は、円の大きさにかかわらず、すべて同じ値になり、 \[ \small{\text{円周率}}\; \normalsize{}(π=3.14159265358989323846…)\] とどもまでも続くので、ふつうは、
円周率 \((π)=3.14\) を用います。ある円の半径を〈\(r\)〉、円周率を〈\(π\)〉とするとき、
\(\boldsymbol{a)}\) 円周の長さ \(l\) \(=\)〈直径\(\times\)円周率〉
で表せます。また、直径は半径の \(2\) 倍ですから、 \[\small{\text{円周の長さ}}\; \normalsize{l=2 \times} \small{\text{半径}} \normalsize{\times} \small{\text{円周率}}\] これを文字で表すと、 \begin{align} l &= 2 \times r \times π\\ & =2πr \end{align}

\(\boldsymbol{b)}\) 円の面積: \(\boldsymbol{S}=\)半径 \(\times\) 半径 \(\times\) 円周率
より、 \begin{align} S &= r \times r \times π\\ &=πr^2 \end{align}

おうぎ形と弧

円の円周の一部分を(こ)といい、 弧の両端と円の中心を結ぶ \(2\) 本の半径によってできる図形をおうぎ形といいます。おうぎ形は円の一部になります。

つまり、円は中心角が \(360^{\circ}\) のおうぎ形と考えられます。よって、図において、中心角が \(x^{\circ}\) のおうぎ形は点円の \(\cfrac{x}{360}\) 倍の大きさになります。
\begin{eqnarray} & & おうぎ形の弧の長さ=2πr \times \cfrac{x}{360}\\[7px] & & おうぎ形の弧の面積=πr^2 \times \cfrac{x}{360} \end{eqnarray}
の式で表すことができます。上の公式は、半径と中心角が与えられている場合のものですが、中心角ではなく弧の長さだけ が与えられている場合もあります。そのようなときは、おうぎ形の性質「おうぎ形は円の一部である」を思い出してください。 中心角、弧、面積のうちどれかひとつがわかっていればおうぎ形と円の比とその値がわかります。半径が \(\boldsymbol{r}\) 、弧の長さが \(\boldsymbol{l}\) のおうぎ形は、おうぎ形と円の面積の割合が、 \[\color{red}{\cfrac{おうぎ形の弧の長さ}{円周}}\] なので、半径 \(r,\) 弧の長さ \(l\) のおうぎ形は、円の\(\boldsymbol{\cfrac{l}{2πr}}\) 倍の大きさになります。よって、このおうぎ形の面積は、 \begin{align} S &=πr^2 \times \frac{l}{2πr}\\ &=r \times \frac{l}{2}\\ &=\boldsymbol{\color{blue}{\frac{1}{2}lr}}\\ \end{align} の式で表すことができます。

円と直線

円と直線との関係には、次の \(3\) つが考えられます。

\(\small{①}\) \(\boldsymbol{2}\) 点で交わる
\(\small{②}\) \(\boldsymbol{1}\) 点で交わる(または、接する)
\(\small{③}\) 交わらない

\(\small{②}\) のように、円と直線が \(1\) 点で交わることを「直線は円に接する」といい、 円と直線が接する点を「接点」、円と接する直線を「接線」といいます。 円は直径に対して線対称な図形なので、 円の接線は、接点を通る円の半径(円の中心 \(O\) と接点を結ぶ線分)と垂直になります。

下の図において、直線 \(l\) に点 \(A\) で接し、点 \(B\) を通る円の中心 \(O\) を作図してみましょう。

\(\boldsymbol{1}\) 点 \(\boldsymbol{A}\) で直線 \(\boldsymbol{l}\) に接する円」では、 その円の中心と \(A\) を結ぶ \(OA\) と接線 \(l\) がつくる角が\(\boldsymbol{90^{\circ}}\)になりますから、 円の中心 \(O\) は点 \(A\) を通る直線 \(l\) の垂線上にあることがわかります。

最初に、点 \(A\) を通る垂線を作図しましょう。 

 
\(\small{①}\) 基準となる点 \(\boldsymbol{A}\) を中心とする適当な大きさの円を直線\(\boldsymbol{l}\) と \(\boldsymbol{2}\) 点で交わるようにかく

\(\small{②}\) \(\small{①}\) でできた \(\boldsymbol{2}\) つの交点をそれぞれ中心とする同じ半径の円をかく

\(\small{③}\) \(\small{②}\) の円の交点と基準となる点 \(\boldsymbol{A}\) を結ぶ直線を引く

上図のように、できた垂線上に円の中心 \(O\) を定めて、線分 \(OA\) を半径とする円をかきますが、その円が点 \(B\) を通ることから、 \[\color{blue}{OA=OB}\] となる円とします。このとき、点 \(O\) は \(2\) 点 \(A,\;B\) から等しい距離にあるので、線分 \(AB\) の垂直二等分線上にある点でもあります。 線分 \(AB\) の垂直二等分線は、この場合、 \(A,\;B\) をそれぞれ中心とする同じ半径の円の交点を通る直線になります。

\(\small{④}\) 線分 \(\boldsymbol{AB}\) の垂直二等分線を作図する

\(\small{⑤}\) 線分 \(\boldsymbol{AB}\) の垂直二等分線と \(\boldsymbol{A}\) を通る直線 \(\boldsymbol{l}\) の垂線との交点に求める円の中心 \(\boldsymbol{O}\) を定める

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