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直線と平面の位置関係

空間内における直線と直線、直線と平面、平面と平面 それぞれの位置関係について、・空間内の \(2\) 直線の位置関係は、「交わる」「平行」「ねじれの位置」の \(3\) 通り ・空間内の \(2\) 平面の位置関係は、「交わる」「平行」の \(2\) 通り ・空間内の 直線と平面の位置関係は、「交わる」「平行」「直線が平面に含まれる」の \(3\) 通りが考えられます。

\(\boldsymbol{2}\) 直線の位置関係

空間における、\(2\) つの直線の位置関係には、次の \(\boldsymbol{3}\) が考えられます。

\(\small{①}\) 同じ平面上にあって交わる

\(\small{②}\) 同じ平面上にはあるがどこまで延ばしても平行で交わらない

\(\small{③}\) 同じ平面上になく、なおかつどこまで延ばしても交わらない

\(\small{①}\) と \(\small{②}\) は「同じ平面上」の \(2\) 直線の位置関係を表していますが、\(\small{③}\) は「同じ平面上にはない」\(2\) 直線の位置関係を表し、「ねじれの位置にある」といいます。 下図のような三角柱において、辺 \(\boldsymbol{AD}\) と次のような位置関係にある辺を答えてみましょう。

\((1)\) 平行である
\((2)\) 垂直に交わる
\((3)\) ねじれの位置にある

この三角柱にあるすべての辺を確認しておきます。 \(\boldsymbol{AD}\) のほかに、 \(\boldsymbol{AB,\;BC,\;CA,\;DE,\;EF,\;FD,\;BE,\;CF}\) という \(8\) つの辺があります。この中から、\((1)\;\sim\;(3)\) の条件に合うものを見つけます。

\(\boldsymbol{(1)}\) 辺 \(\boldsymbol{AD}\) と平行な辺
同じ平面上にあるものは、面 \(\boldsymbol{ABED}\) 上の辺 \(\boldsymbol{BE}\) と、面 \(\boldsymbol{ACFD}\) 上の辺 \(\boldsymbol{CF}\) \[\boldsymbol{∴\quad \color{blue}{\small{\text{辺}}\;\normalsize{BE,\;CF}}}\]

\(\boldsymbol{(2)}\) 辺 \(\boldsymbol{AD}\) と垂直に交わる辺
\(8\) つの辺の中で、辺 \(AD\) と交わる辺は、 辺 \(\boldsymbol{AB,\;AC,\;DE,\;DF}\) で、すべてが垂直に交わる \[\boldsymbol{∴\quad \color{blue}{\small{\text{辺}}\;\normalsize{AB,\;AC,\;DE,\;EF}}}\] \(\boldsymbol{(3)}\) 辺 \(\boldsymbol{AD}\) とねじれの位置にある辺
 「どこまで延ばしても交わらない」 辺 \(BE,\;CF,\;BC,\;EF\) の \(4\) つのうち、\(2\) つの \(\boldsymbol{BC,\;EF}\) が同じ平面上にない  \[\boldsymbol{∴\quad \color{blue}{\small{\text{辺}}\;\normalsize{BC,\;EF}}}\]

直線と平面の位置関係

直線と平面の位置関係には、次の \(3\) つが考えられます。
\(\small{①}\) \(\boldsymbol{1}\) 点で交わる

\(\small{②}\) 平行である

\(\small{③}\) 直線が平面に含まれる

\(\small{①}\) のように、直線と平面が交わり、直線が平面上のすべての直線に垂直であるとき、その直線と平面は「垂直」で あるといいます。ただし、交わる \(2\) つの直線は \(1\) つの平面をつくる条件になるので、 すべての直線ではなく、平面上の \(2\) つの直線と垂直であれば、直線と平面は垂直であると言えます。 下図のように、平面 \(P\) と直線 \(l\) が交わっていて、その交点を \(O\) とします。 点 \(O\) を通る平面 \(P\) 上の直線 \(m,\;n\) と直線 \(l\) が垂直なら、

\(\boldsymbol{直線\;\large{l ⊥ }\normalsize{平面}\;\large{P}}\)

になります。次に、平面とその平面と垂直に交わる直線上の \(1\) 点 \(P\) との間の距離について考えてみましょう。図のように、平面上に 点 \(Q\) があるとき、\(2\) 点 \(P,\;Q\) 間の距離は最も短くなり、この場合の線分 \(PQ\) の長さを、

\(\boldsymbol{点\;\large{P}\;\normalsize{と平面との距離}}\)

といいます。

例 題

次のような直方体があるとき、下の質問に答えてみましょう。

\(\boldsymbol{(1)}\) 辺 \(\boldsymbol{AB}\) を含む面は \(\boldsymbol{?}\)
面を表現するとき、その面のある \(1\) つの頂点 (この場合 \(A\)) を基準にして、反時計(左)回りか時計(右)回りに \(1\) 周するように記号名を述べます。

\[\boldsymbol{\small{\text{面}}\;\normalsize{ABCD}\small\;{\text{と面} }\;\normalsize{ABFE}}\]

\(\boldsymbol{(2)}\) 辺 \(\boldsymbol{AB}\) と垂直な面は \(\boldsymbol{?}\)
面を考える前に \(\boldsymbol{AB}\) と垂直な辺を考えてから、その辺を含む面を考えるようにします。 辺 \(AB\) と垂直な辺は、 \(\boldsymbol{AD,\;BC,\;AE,\;BF}\) の \(4\) つになります。 辺 \(AB\) と \(4\) つの辺のうちの \(2\) つの辺をを含む面があれば、それが辺 \(AB\) と垂直な面となります。

\[\boldsymbol{\small{\text{面}}\;\normalsize{ADHE}\small\;{\text{と 面}}\;\normalsize{BCGF}}\]

\(\boldsymbol{(3)}\) 辺 \(\boldsymbol{AB}\) と平行な面は \(\boldsymbol{?}\)
辺 \(AB\) と平行な面は、この辺とどこまで延ばしても交わらない面になります

\[\boldsymbol{\small{\text{面}}\;\normalsize{CGHD}\small\;{\text{と 面}}\;\normalsize{EFGH}}\]

\(\boldsymbol{(4)}\) 面 \(\boldsymbol{ABCD}\) と垂直な辺は \(\boldsymbol{?}\)
面 \(ABCD\) と垂直な辺は、面 \(ABCD\) 上にある辺と垂直な辺のことです。

面 \(ABCD\) 上の辺 \(\boldsymbol{AB}\) と垂直な辺 辺 \(\boldsymbol{AE}\) と \(\boldsymbol{BF}\)
面 \(ABCD\) 上の辺 \(\boldsymbol{BC}\) と垂直な辺 辺 \(\boldsymbol{BF}\) と \(\boldsymbol{CG}\)
面 \(ABCD\) 上の辺 \(\boldsymbol{CD}\) と垂直な辺 辺 \(\boldsymbol{CG}\) と \(\boldsymbol{DH}\)
面 \(ABCD\) 上の辺 \(\boldsymbol{DA}\) と垂直な辺 辺 \(\boldsymbol{DH}\) と \(\boldsymbol{AE}\)

この中から、ダブっているものを除きます \begin{eqnarray} & &\boldsymbol{\color{blue}{\small{\text{辺}}\;\normalsize{AE,} \qquad \small{\text{辺}}\;\normalsize{BF,}}}\\[5px] & &\boldsymbol{\color{blue}{\small{\text{辺}}\;\normalsize{CG,}\qquad \small{\text{辺}}\;\normalsize{DH}}}\;\small{\text{ … 答え}} \end{eqnarray}

\(\boldsymbol{(5)}\) 面 \(\boldsymbol{ABCD}\) と平行な辺は \(\boldsymbol{?}\)
 面 \(ABCD\) とどこまで延ばしても交わらない辺になります。 \begin{eqnarray} & &\boldsymbol{\color{blue}{\small{\text{辺}}\;\normalsize{EF,} \qquad \small{\text{辺}}\;\normalsize{FG,}}}\\[5px] & &\boldsymbol{\color{blue}{\small{\text{辺}}\;\normalsize{GH,}\qquad \small{\text{辺}}\;\normalsize{EH}}}\;\small{\text{ … 答え}} \end{eqnarray}

\(\boldsymbol{2}\) つの平面の位置関係

空間内の \(2\) つの平面の位置関係は、次の \(2\) つ。
① 交わる

② 平行である

\(2\) つの直線が交わるとき、その部分を「交点」というのに対して、\(2\) つの平面が交わる部分を 交線(こうせん)といいます。 下の図において、\(2\) つの平面 \(P,\;Q\) があり、その \(2\) 面の交線を \(\boldsymbol{l}\) とします。 平面 \(\boldsymbol{P}\) 上に、 \(l\) と垂直な直線 \(\boldsymbol{m}\) 、平面\(\boldsymbol{Q}\) 上に \(l\) と垂直な直線 \(\boldsymbol{n}\) をとるとき、直線 \(m,\;n\) がつくる角は平面 \(P,\;Q\) がつくる角になり、
\[\boldsymbol{m⊥n\;\small{\text{ならば}}\;\normalsize{P⊥Q}}\]
が成り立ちます。

次のような直方体があるとき、下の質問に答えてみましょう。

\(\boldsymbol{(1)}\) 面 \(\boldsymbol{ABCD}\) と垂直な面は \(\boldsymbol{?}\)
面 \(ABCD\) の各辺を他の平面との交線と考えます。

\begin{eqnarray} & &\small{\text{面}}\;\normalsize{ABFE,}\qquad \small{\text{面}}\;\normalsize{BCGF,}\\[5px] & &\small{\text{面}}\;\normalsize{CDHG,}\qquad \small{\text{面}}\;\normalsize{DAEH}\;\small{\text{… 答え}} \end{eqnarray}

\(\boldsymbol{(2)}\) 面 \(\boldsymbol{ABCD}\) と平行な面は \(\boldsymbol{?}\)
面 \(ABCD\) と平行な面は、その面をどこまで延ばしても交わらないものをいいます。

\[\boldsymbol{\color{blue}{\small{\text{面}}\;\normalsize{EFGH}}}\;\small{\text{… 答え}}\]

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