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正負の数:乗法と除法

正の数と負の数の乗法・除法では、符号が同じ \(2\) 数の積と商は正の数になり、符号が異なる \(2\) 数の積と商は負の数になります。よって、計算するときには、はじめに \(2\) 数の符号を確認して 同符号なら正、異符号なら負の値にします。

整数に正の数を乗じる(掛ける)

数直線を見ながら次の数式を考えてみましょう。

\((1)\quad(+2) \times (+4)\) \((2)\quad(-2) \times (+4)\)

\((1)\) は、正の符号〈\(\;+\;\)〉を省略することができるので、 \[2 \times 4\quad (2\;\small{\text{掛ける}}\;\normalsize{4)}\]  と書き直すことができます。「\(2\) に \(4\) を掛ける」は、「\(\boldsymbol{2}\) を \(\boldsymbol{4}\) 回加える」ことになり、 \begin{eqnarray} & &2 \times 4\\[5px] & &\;=\boldsymbol{\color{blue}{+2+2+2+2}} \end{eqnarray} となります。これを数直線上に表すと、 原点「\(\boldsymbol{0}\)」を基準として正の方向に \(2\) 移動するのを \(4\) 回くり返して、 \(8\) に進むことになります。

\[\large{\boldsymbol{\color{blue}{(+2) \times (+4)=8}}}\] 正の数に正の数を掛けると正の数になります。

\((2)\) も、正の符号〈\(\;+\;\)〉を省略することができ、 \[(-2) \times 4 \quad (-2\;\small{\text{掛ける}}\;\normalsize{4)}\] と表現できます。「\(-2\) に \(4\) を掛ける」は、「 \(-2\) を \(4\) 回加える」という意味になり、 \begin{eqnarray} & &-2 \times 4\\[5px] & &\;=\boldsymbol{\color{blue}{+(-2)+(-2)+(-2)+(-2)}} \end{eqnarray} 数直線上に表すと、原点「\(\boldsymbol{0}\)」を基準として負の方向に \(2\) 移動するのを \(4\) 回くり返して、 \(-8\) に 進むことになります。

\[\large{\boldsymbol{\color{blue}{(-2) \times (+4)=-8}}}\] 負の数に正の数を掛けると負の数になります。

整数に負の数を乗じる(掛ける)

次の \(2\) つの式を計算してみましょう。
\((1)\quad(+2) \times (-4)\) \((2)\quad(-2) \times (-4)\)

\((1)\) 正の符号〈\(\;+\;\)〉は省略できるので、 \[2 \times (-4) \quad (2\;\small{\text{掛けるマイナス}}\;\normalsize{4)}\] 「\(2\) に \(-4\) を掛ける」は、「\(2\) をマイナス \(4\) 回加える」ことですが、 「反対の性質」を利用して、

「\(\boldsymbol{2}\) を \(\boldsymbol{4}\) 回減らす (=引く)」

 と言い直し、 \begin{eqnarray} & &(+2) \times (-4)\\[5px] & &=\color{red}{-(+2)-(+2)-(+2)-(+2)}\\[5px] & &=\boldsymbol{-2-2-2-2} \end{eqnarray} これを数直線で見ると、原点「\(\boldsymbol{0}\)」を基準にして負の方向へ \(2\) だけ移動することを \(4\) 回くり返して \(-8\) に進むことになります。 \[\large{\boldsymbol{\color{blue}{(+2) \times (-4)=-8}}}\] 正の数に負の数を掛けると負の数になり、 「\(\boldsymbol{-2}\) を \(\boldsymbol{4}\) 回加える」 と同じことになることがわかります。

\((2)\) 「\((-2)\) に \((-4)\) を掛ける」は、「\((-2)\) を \((-4)\) 回加える \(=\;4\) 回減らす」ことになりますが、 「反対の性質」 を利用して、

「\(\boldsymbol{-2}\) を \(\boldsymbol{4}\) 回減らす (=引く)」 \(=\) 「\(\boldsymbol{2}\) を \(\boldsymbol{4}\) 回加える (=足す)」

ことになるのを、この場合はっきり理解できません。そこで、次のような説明によって明らかにします。
〈説 明〉

正の数 \(1\) と 負の数 \(-1\) の \(2\) 数について、 \[1+(-1)=0\;\small{\text{ ―― ①}}\] \(0\) にどんな数を掛けても答えは \(0\) になることを利用して、① の式の 両辺に \(-1\) を掛けます \begin{eqnarray} & &1 \color{red}{\times (-1)}+(-1) \color{red}{\times (-1)}\\[5px] & &\;=0 \times (-1)\\[5px] & &1 \times (-1)+(-1) \times (-1)=0\\[5px] & &\small{\text{分配法則を利用して}}\;\normalsize{→}\\[5px] & &\;=\{1+(-1)\}\color{red}{(-1)}=0\;\small{\text{―― ②}} \end{eqnarray} ② の式の両辺に \(1\) を加えて、 \begin{eqnarray} & &{1+(-1)}(-1)+\boldsymbol{1}=0+\boldsymbol{1}\\[5px] & &1 \times (-1)+(-1) \times (-1)+1=1+0\\[5px] & &(-1)+1+(-1) \times (-1)=1\\[5px] & &\small{\text{よって、}}\\[5px] & &\boldsymbol{\color{blue}{(-1) \times (-1)=1}} \end{eqnarray} このことから、 負の数に負の数を掛けると正の数になることがわかります。

2数の積

掛け算は、数を〈乗〉ずる計算方〈法〉の意味から 乗法(じょうほう)といい、 その答えを(せき)といいます。
一方、割り算は数を〈除〉する計算方〈法〉であるから、 除法(じょほう)といい、 その答えを(しょう)といいます。

・足し算:数を加える計算方法 \(=\) 加 法
・引き算:数を減じる計算方法 \(=\) 減 法
・掛け算:数を乗じる計算方法 \(=\) 乗 法
・割り算:数を除する計算方法 \(=\) 除 法

乗法の計算ルール

加法・減法と同じく、計算のルールを使って数直線にたよらず、速くて正確な計算ができるように工夫します。数直線上で 見てきたように、\(2\) 数の乗法の計算では、

のような結果になることから、乗法の計算では、
・符号が同じ \(2\) 数の積は正の数になる
・符号が異なる \(2\) 数の積は負の数になる

という関係が成り立ちます。このルールにしたがい、正の数・負の数の乗法は

① 積の符号を決める
② 符号を取り除いた絶対値を計算する
③ ② の積に ① の符号をつける
\((+\)の符号は省略可\()\)
の順序で計算をします。

除 法

叙法 \((=\;\)割り算\()\) は、逆数の乗法に直して計算できます。 たとえば、\(a\) と \(\cfrac{1}{a}\) の \(2\) 数があり、その積が \begin{eqnarray} & &\large{a \times \frac{1}{a}}\\[5px] & &\;\large{=\frac{a}{a}=\boldsymbol{1}} \end{eqnarray} となるとき

\(\boldsymbol{a}\) の逆数は \(\boldsymbol{\cfrac{1}{a}}\) である

逆 数 \(2\) 数の積が \(1\) になるとき、一方に対するもう一方の数を逆数という。分子と分母を〈逆〉にした〈数〉だから逆数と覚える

\(1\) を \(2\) で割るのと、 \(1\) を半分 \((=\cfrac{1}{2})\) にすることは同じで、 \begin{eqnarray} & &1 \div 2=\frac{1}{2}\\[7px] & &1 \times \cfrac{1}{2}=\frac{1}{2} \end{eqnarray}

「ある数で割ること」 \(=\) 「ある数の逆数を掛けること」

を表わしています。 この性質を利用して、除法を乗法に直して計算できます。次の計算例を見てみましょう。 \begin{eqnarray} & &\left(-\frac{3}{4} \right) \div 9\\[5px] & &\;=\left(-\frac{3}{4} \right) \color{red}{\times \frac{1}{9}}\\[5px] & &\;=\left(-\frac{1}{4} \right) \times \frac{1}{3}\\[5px] & &\;=\boldsymbol{-\frac{1}{12}}\\[12px] & &25 \div \left(-\frac{5}{7} \right)\\[5px] & &\;=25 \color{red}{\times \left(-\frac{7}{5} \right)}\\[5px] & &\;=5 \times (-7)\\[5px] & &\;=\boldsymbol{-35} \end{eqnarray} \(9\) の逆数\(\cfrac{1}{9},\;-\cfrac{5}{7}\) の逆数 \(-\cfrac{7}{5}\) をそれぞれ掛けることで計算が楽になります。

除法(割り算)は乗法(掛け算)の逆の計算になるので、\(2 \times (\quad)=8\) の式の (   ) 内の数を求める場合、 \[\boldsymbol{\cdot\color{darkblue}{(\quad)=8 \div 2}}\] に直せます。 \[8 \div 2=\boldsymbol{4}\] この場合、乗法のルール(正の数)\(\times\)(正の数)\(=\)(正の数)に当てはまるので、

(正の数)\(\div\)(正の数)\(=\)(正の数)

となります。

\[\boldsymbol{\cdot\color{darkblue}{(-2) \times (\quad)=-8}}\] はどうでしょう。
\(2\) 数の積が負の数の場合の式は

(正の数)\(\times\)(負の数)\(=\)(負の数)
(負の数)\(\times\)(正の数)\(=\)(負の数)

の \(2\) 通りですが、この場合、(負の数)\(\times\)(正の数)\(=\)(負の数)の形になるので、(   )内は正の数になります。 \begin{eqnarray} & &→\\[5px] & &(\quad)=(-8) \div (-2) \end{eqnarray} 叙法は逆数の乗法に直せるから、 \begin{eqnarray} & &(-8) \times \left(-\frac{1}{2} \right)\\[5px] & &\;=\frac{8}{2}=\boldsymbol{4} \end{eqnarray} よって、

(負の数)\(\div\)(負の数)\(=\)(正の数)

\[\boldsymbol{\cdot\color{darkblue}{2 \times (\quad)=-8}}\] \begin{eqnarray} & &→\\[5px] & &(\quad)=(-8) \div 2\\[5px] & &(-8) \times \frac{1}{2}\\[5px] & &\;=\boldsymbol{-4} \end{eqnarray} よって、

(負の数)\(\div\)(正の数)\(=\)(負の数)

\[\boldsymbol{\cdot\color{darkblue}{(-2) \times (\quad)=8}}\]
 \(→\;(\quad)=8 \div (-2)\)
 同じく叙法を逆数の掛け算に直すと、 \[\boldsymbol{8 \times (-2)=-4}\] よって、

(正の数)\(\div\)(負の数)\(=\)(負の数)

これらのことから、除法についても乗法と同じく、

・符号が同じ \(2\) 数の積は正の数になる
・符号が異なる \(2\) 数の積は負の数になる

小数や分数の乗法・除法

小数や分数を含む乗法や除法も、整数の場合と同じく、

① 積の符号を決める
② 符号を取り除いた絶対値を計算する
③ ② の積に ① の符号をつける
\((+\)の符号は省略可\()\)
の順で行えばよいことになります。

乗法の交換法則・結合法則

  加法のと同じく、乗法についても交換法則、結合法則 が成り立ちます。
乗法の交換法則 \begin{eqnarray} & &(+3) \times (+4)=+(3 \times 4)\\[5px] & &=+12\\[5px] & &(+4) \times (+3)=+(4 \times 3)\\[5px] & &=+12\\[5px] & &\boldsymbol{∴\quad \color{blue}{(+3) \times (+4)=(+4) \times (+3)}}\\[10px] & &(+3) \times (-4)=-(3 \times 4)\\[5px] & &=-12\\[5px] & &(-4) \times (+3)=-(4 \times 3)\\[5px] & &=-12\\[5px] & &\boldsymbol{∴\quad \color{blue}{(+3) \times (-4)=(-4) \times (+3)}} \end{eqnarray} より、
計算の順序をかえても「積」は同じなので「乗法の交換法則」が成り立ちます。

乗法の結合法則
掛け算(乗法)だけの式であれば、 \[(2 \times 3) \times 4=2 \times (3 \times 4)\] のように 掛ける項の組み合わせを変えてもその積は同じなので、「乗法の結合法則」が成り立ちます。 この場合、正の数だけでなく負の数を含んだ式にも言えます。 \begin{eqnarray} & &\{2 \times (-3)\} \times 4\\[5px] & &\;=\color{blue}{-(2 \times 3)} \times 4\\[5px] & &\;=-6 \times 4\\[5px] & &\;=\boldsymbol{-24}\\[12px] & &2 \times \{(-3) \times 4\}\\[5px] & &\;=2 \times \color{blue}{-(3 \times 4)}\\[5px] & &\;=2 \times (-12)\\[5px] & &\;=\boldsymbol{-24} \end{eqnarray}

累 乗

乗法(掛け算)は、同じ数を何回かくり返し加える(足す)計算方法です。 一方、同じ数を何回かくり返し掛け合わせる計算方法を、その数の 累乗(るいじょう)といいます。 \[\large{2 \times 2=\boldsymbol{\color{blue}{2^2}}}\] は、

「\(\boldsymbol{2}\) の \(\boldsymbol{2}\) 乗」

と読みます \[\large{2 \times 2 \times 2=\boldsymbol{\color{blue}{2^3}}}\] は、

「\(\boldsymbol{2}\) の \(\boldsymbol{3}\) 乗」

と読みます

ある数の累乗は、その数の右上に掛け合わせる回数を表しますが、この数を指数 (しすう)といいます。また、 \(2\) 乗を平方(へいほう)、 \(3\) 乗を立方(りっぽう) といい、 \(2\) の \(2\) 乗を「\(\boldsymbol{2}\) の平方」、\(2\) の \(3\) 乗を「\(\boldsymbol{2}\) の立方」などと言うこともあります。 \begin{eqnarray} & &2 \times 2=2^2\\[5px] & &→ \small{\text{指数:}}\;\normalsize{\color{blue}{2}}\\[10px] & &2 \times 2 \times 2=2^3\\[5px] & &→ \small{\text{指数:}}\;\normalsize{\color{blue}{3}}\\[10px] & &2 \times 2 \times 2 \times 2=2^4\\[5px] & &→ \small{\text{指数:}}\;\normalsize{\color{blue}{4}} \end{eqnarray}

負の数の累乗

負の数の累乗では、
累乗の指数が偶数
= 正の数
累乗の指数が奇数
= 負の数

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