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直線の式 交点 平行

ふつう、直線の式は、\(a,\;b,\;c\) を定数として、\(2\) 元 \(1\) 次方程式 \(ax+by+c=0\) の形で表すことができます。

\(\boldsymbol{2}\) 元 \(\boldsymbol{1}\) 次方程式

\(x,\;y\) のように文字を \(2\) つ用いる方程式のうち、\(1\) 次式で表すものを \(2\) 元 \(1\) 次方程式といいました。 たとえば、\(2\) 元 \(1\) 次方程式  \(\boldsymbol{x+y=6}\) を満たす \(x,\;y\) の組は

 
\(\boldsymbol{x}\)\(-5\) \(-4\) \(-3\) \(-2\) \(-1\) \(0\) \(1\) \(2\) \(3\) \(4\) \(5\)
\(\boldsymbol{y}\) \(11\) \(10\) \(9\) \(8\) \(7\) \(6\) \(5\) \(4\) \(3\) \(2\) \(1\)

のように無数に存在することがわかっています。\(2\) 元 \(1\) 次方程式 \(\boldsymbol{ax+by+c=0}\) を \(y\) について解くと

\begin{eqnarray} & &ax+by+c=0\\[5px] & &by=0-ax-c\\[7px] & &\boldsymbol{y=-\frac{a}{b}x-\frac{c}{b}} \end{eqnarray}

から、傾き \(\boldsymbol{=\;-\cfrac{a}{b}},\) 切片 \(\boldsymbol{=\;-\cfrac{c}{b}}\) の \(1\) 次関数になるので、\(2\) 元 \(1\) 次方程式のグラフは直線になります。また、\(2\) 元 \(1\) 次方程式 \(ax+by+c=0\) のグラフにおいて、

\(\boldsymbol{a=0}\) のとき
\(0 \times x+by+c=0\)
\(by=-c\)
\(\boldsymbol{y=-\cfrac{c}{b}}\)

となり、\(\boldsymbol{x}\) 軸に平行な直線になりなす。一方、

\(\boldsymbol{b=0}\) のとき
\(ax+0 \times y+c=0\)
\(ax=-c\)
\(\boldsymbol{x=-\cfrac{c}{a}}\)

よって、\(\boldsymbol{y}\) 軸に平行な直線になります。

平 行

次の式を、グラフに表してみます。

\(\small{①} \quad \normalsize{y=3} \hspace{20px} \small{②} \quad \normalsize{x=5} \hspace{20px} \small{③} \quad \normalsize{y=2x-3}\)
\(\small{④} \quad \normalsize{y=-2x+3} \hspace{20px} \small{⑤} \quad \normalsize{y=2x+2}\)

図を見て分かるように、
\(\small{①} \quad y=□\) の形は \(\boldsymbol{x}\) 軸に平行な直線になり、 \(\small{②} \quad x=□\) の形は \(\boldsymbol{y}\) 軸に平行な直線になります。 また、\(\small{③}\) と \(\small{⑤}\) のように 傾きが同じ直線は平行になります。
* \(x=0\) は \(y\) 軸を表し、 \(y=0\) は \(x\) 軸を表します

直線の交点を求める

\(2\) 直線の交点は、\(2\) つの \(2\) 元 \(1\) 次方程式の交点であるから、連立方程式の解に等しくなります。

\(1\) 次関数 \(y=-\cfrac{2}{3}x-\cfrac{5}{3}\) と \(y=\cfrac{5}{2}x-8\) の交点を求めましょう。これらを \(2\) 元 \(1\) 次方程式に直すと、

\begin{eqnarray} & &\cfrac{2}{3}x+y=-\cfrac{5}{3}\\[7px] & &\hspace{10px}→\;\boldsymbol{2x+3y=-5}\; ――\;\small{①}\\[12px] & &-\cfrac{5}{2}x+y=-8\\[7px] & &\hspace{10px}→\;\boldsymbol{5x-2y=16}\;――\;\small{②} \end{eqnarray}

\(\small{①②}\) の方程式を加減法で解きます。\(y\) の係数を合わせるため、\(\small{①}\) の式の両辺に \(2\) を、\(\small{②}\) の式の両辺に \(3\) をそれぞれ掛け、\(\small{①\;+\;②}\)から \(y\) を消去します。

\begin{array}{cccccc} & 4x & & + & 6y & & & = & &-10\\ +) & 15x & & - & 6y & & & = & &48\\ \hline & 19x & & & & & & = & &38\\ \end{array}

\[\boldsymbol{x=2}\]

これを \(\small{①}\) の式に代入して、

\begin{eqnarray} & &2 \times 2+3y=-5\\ & &4+3y=-5\\ & &3y=-5-4\\ & &=-9\\[12px] & &\boldsymbol{y=-3} \end{eqnarray}

∴ 連立方程式の解は \(\color{blue}{\boldsymbol{(x,\hspace{10px}y)\;=\;(2,\hspace{10px}-3)}}\) になります。

次に、もとの \(2\) つの \(1\) 次関数をグラフに表してみると、

このように、グラフの交点と連立方程式の解が一致するのがわかります。

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