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確率の求め方

あることがらが起こる確率を求める実験をする場合、\(1\) 回や \(2\) 回の実験では、どの程度そのことがらが起こるのかを正確に判断できません。そのため、実験には十分な回数が必要になります。

確 率

ある出来事が起こる可能性の大きさを表す数値のことを確率(かくりつ) といいます。確率は、すべての出来事やことがらに対するその出来事やことがらの起こる割合なので、ある出来事の起こる確率を \(p\) とし、その出来事の起こる回数を \(a,\) すべての 出来事の起こる回数を \(n\) とすると、

\[\boldsymbol{p}=\cfrac{\color{blue}{a}}{\color{blue}{n}}\]

で求めることができます。たとえば、一定の条件で実験をくり返したところあることがら起こったとすると、

実験を \(\boldsymbol{\color{blue}{n}}\) 回くり返すとある事柄が \(\boldsymbol{\color{blue}{a}}\) 回起こる

ことになり、そのことがらの起こる確率は \(\boldsymbol{\color{blue}{\cfrac{a}{n}}}\) ということになります。 ただし、注意しなければならないのは、実験が \(1\) 回や \(2\) 回だけではどの程度ことがらが起こるかを正確に判断することはできません。

そのため、実験には十分な回数が必要になります。

実  験

\(\boldsymbol{1}\) 枚のコインを投げて何回表が出たかを記録する
これを \(\boldsymbol{100}\) 回くり返し合計 \(\boldsymbol{1000}\) 回投げる
表が出た回数と割合を \(\boldsymbol{10}\) 回ごとに算出する
それをグラフにする

投げた回数 \(100\) \(200\) \(300\) \(400\) \(500\) \(600\) \(700\) \(800\) \(900\) \(1000\)
表が出た回数 \(51\) \(100\) \(145\) \(190\) \(237\) \(287\) \(340\) \(396\) \(447\) \(491\)
表が出た割合 \(\boldsymbol{0.51}\) \(\boldsymbol{0.50}\) \(\boldsymbol{0.48}\) \(\boldsymbol{0.48}\) \(\boldsymbol{0.47}\) \(\boldsymbol{0.48}\) \(\boldsymbol{0.49}\) \(\boldsymbol{0.50}\) \(\boldsymbol{0.50}\) \(\boldsymbol{0.49}\)

「表が出た割合」は、「投げた回数」に対する「表が出た回数」で表します。 割合は「もとの数に対して何倍にあたるかを表す値」のことから、「表が出た回数」が「コインを投げた回数」の何倍かを表す式

(表が出た割合) \(=\) (表が出た回数) \(\div\) (コインを投げた回数)

で求めることができます。実際にやってみた結果が下のグラフです。回数が少ないうちは割合にばらつきが目立ちますが、 回数が多くなるにつれて割合の値は \(0.5\;(\cfrac{1}{2})\)付近に集中するようになります。

この \(\boldsymbol{\cfrac{1}{2}}\) は、コインを \(2\) 回投げれば \(1\) 回は必ず表が出るという意味ではなく、 \(2\) 回投げると、\(1\) 回は表が出ると期待される ことを表わす数値であり、表が出ると期待される程度(\(=\) 確 率)が \(\boldsymbol{\cfrac{1}{2}}\) ということです。このことを、

コインを \(\boldsymbol{1000}\) 回投げて、 表が出る確率は \(\boldsymbol{0.5\;(\cfrac{1}{2})}\) である

と表現します。

確率の求め方

上の例題で取り上げた、「コインを投げて表が出る確率」を計算で求める方法について学習します。

\(\small{①}\) コインを投げたときに出る面は、表と裏の \(\boldsymbol{2}\) 通り
\(\small{②}\) 一方の面にかたよった出方をせず、どちらの面が出るのも同じ程度に期待される
\(\small{③}\) \(\boldsymbol{2}\) 通りの出方のうち、表が出るのは \(\boldsymbol{1}\) 通り

このとき、表が出る確率は「\(\small{①}\) のすべての場合の数に対する \(\small{③}\) の場合の数の割合」から \[\boldsymbol{\cfrac{1}{2}}\] になります。 また、\(\small{②}\) のようにどの事柄が起こることも同じ程度であると期待されるとき、どの事柄が起こることも 「同様に確からしい」といいます。スリッパのような形のものでは、投げると表が出る 場合が多くなるので、同様に確からしいとは言えません。
確率を求める場合、起こる場合の数が全部で \(\boldsymbol{n}\) 通りあり、どの事柄が起こるのも同様に確からしいとします。 そのうち、ある出来事の起こる確率を \(\boldsymbol{p}\), その出来事の起こる回数を \(\boldsymbol{a}\) とすれば、

\[\boldsymbol{p}=\cfrac{\color{blue}{a}}{\color{blue}{n}}\]

が成り立ちます。上の例題では、 \(\boldsymbol{n=2,\;a=1}\) ですから

表が出る確率

\[p=\cfrac{1}{2}\]

事柄が絶対に起こらないとき、起こる確率は

\[\boldsymbol{p=\cfrac{0}{n}=0}\]

であり、事柄が必ず起こるとき、起こる確率は

\[\boldsymbol{p=\cfrac{n}{n}=1}\]

このときの確率 \(\boldsymbol{p}\) の範囲は

\[\boldsymbol{\color{blue}{0 ≦ p ≦ 1}}\]

となります。

\(\boldsymbol{2}\) 個のサイコロを同時に投げたとき、 出る目の和が \(\boldsymbol{4}\) の倍数となる確率

を求めましょう。サイコロを投げたときに出る目は、どの目が出やすくどの目が出にくいというかたよりがなく、どの目が出ることも同じ程度であると期待できます。したがって、 どの目がでることも同様に確からしいと言えます。

まず、起こる場合が何通りあるかを知るために表や図を利用します。前に用いた樹形図を用いるところですが、サイコロの出る 目に関する問題では下のような表を作成します。

この表から、出る目のすべての場合の数

\(\boldsymbol{6 \times 6=36}\) (通り)

また、この表から、出る目の和が \(\boldsymbol{4}\) の倍数となる値は次の色をぬった部分になり、

出る目の和が \(\boldsymbol{4}\) の倍数となる場合の数 \(=\) \(\boldsymbol{\color{blue}{9}}\) (通り)

よって、その確率は \[p=\cfrac{9}{36}=\boldsymbol{\color{blue}{\cfrac{1}{4}}}\] となります。

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