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単項式と多項式

文字式には、大きく \(2\) つの種類があります。\(\boldsymbol{4a}\) や、\(\boldsymbol{xy}\) のように、数や文字についての乗法だけからなる単項式と、\(\boldsymbol{3a-5b}\) などのように、単項式の和から成る多項式です。また、多項式を構成する一つ一つの単項式を、その多項式のといいます。

式の計算 主な学習のポイント
・単項式と多項式について
・単項式と多項式 の計算の仕方
・文字式による説明や等式の変形について
この項目についてお聞きになりたいことは、 「*ご質問・お問わせ」からお願いします

 

単項式(たんこうしき)

数や文字をいくつかの積の形で表した式単項式といいます。 単項式は「積」の形だけのもので、加法(足し算)や減法(引き算)は含まれません。

単項式 … \(\boldsymbol{-4x,\;3a2b}\)

また、単項式の中の掛け合わされた文字の個数を、その単項式の 次数(じすう)といい、 文字以外の数の部分を、その単項式の係数(けいすう)といいます。 係数は、文字とつながっていることから文字と〈係〉わっている〈数〉という意味を表します。

* ことばの意味

単項式 :数や文字についての乗法だけでつくられている式
次 数 :単項式において、掛けられている文字の数
係 数 :単項式における文字以外の数の部分

次の単項式を見てください。

\((1)\quad \cfrac{2}{5}x^2\) \((2)\quad -x^2y^4\)

それぞれの式に乗法記号 \([\;\times\;]\) をつけます

\begin{eqnarray} & &(1)\;→\\[5px] & &\frac{2}{5} \times x \times x\\[10px] & &(2)\;→\\[5px] & &-1 \times x \times x \times y \times y \times y \times y \end{eqnarray}

\((1)\) 掛けられている \(x\) の数は \(\boldsymbol{2}\) 個なので、 \[次数\;=\boldsymbol{2}\]

文字以外の数の部分が係数なので、 \[係数\;=\boldsymbol{\cfrac{2}{5}}\]

\((2)\) 文字式のルール「 \(1\) と文字の積では \(1\) を省略する」 より、 この式は \(\color{blue}{-1}\) がはぶかれて負の数を表す \(-\) の記号だけがついています。 ただ、\([\;\times\;]\) の記号をつけて表すときには \(1\) を明示しなければなりません。 掛けられている文字の個数は \(x\) が \(\boldsymbol{2}\) 、\(y\) が \(\boldsymbol{4}\) ですから \[2+4=\boldsymbol{6}\;個\] よって、

\begin{eqnarray} & &次数\;:\;\boldsymbol{6}\\[5px] & &係数\;:\;\boldsymbol{-1} \end{eqnarray}

多項式(たこうしき)

\(\boldsymbol{2}\) つ以上の単項式が加法(足し算)の形で表す式を多項式といいます。 また、多項式を構成するひとつひとつの単項式のことを多項式の (こう)といいます。

多項式: \(\boldsymbol{2x-4y+5}\)
項: \(\boldsymbol{2x,\hspace{5px}4y,\hspace{5px}5}\)

多項式は、〈多〉くの〈項〉をもつ〈式〉と覚えてください。 一方、単項式の「単」は「\(1\) つ」という意味なので、\(\boldsymbol{1}\)つ〈項〉を持つ〈式〉になります。 多項式の文字を含む項(\(=\)文字項)に対して、\(\boldsymbol{5}\) のように文字を含まない項のことを 定数項(ていすうこう)といいます。 多項式には文字項がいくつか存在しますが、その中でいちばん掛けられている文字の個数が多い次数の高い)ものの数を、 その多項式の「次数」といいます。

* ことばの意味

多項式 :単項式の加法(足し算)の形で表す式
多項式中の項 :多項式を構成する個々の単項式
定数項 :多項式中の文字を含まない項
多項式の次数 :多項式中の文字項のうち最も数の多い次数

例 題:
次の多項式の項と次数を答えなさい。

\((1)\quad x^2-3x-5\) \((2)\quad 2ab+3bc+4ca\)

減法は、加法記号 \([+]\) を用いて加法に直します。また、各項の積の部分は乗法記号 \([\times]\) を使って書き直します。

\begin{eqnarray} & &(1)\;→\\[5px] & &=x^2+(\boldsymbol{\color{red}{-3x}})+(\boldsymbol{\color{red}{-5}})\\[5px] & &=x \times x+(-3) \times x+(-5) \end{eqnarray} より、

多項式の項: \(\boldsymbol{x^2\hspace{5px}-3x\hspace{5px}-5}\)
多項式の次数: \(\boldsymbol{2}\)

\begin{eqnarray} & &(2)\;→\\[5px] & &=2 \times a \times b+3 \times b \times c+4 \times c \times a \end{eqnarray}

多項式の項: \(\boldsymbol{2ab,\hspace{5px}3bc,\hspace{5px}4ca}\)
多項式の次数: \(\boldsymbol{2}\)

同類項(どうるいこう)

\(1\) つの多項式で、文字の部分が同じ項を同類項といいます。 ただし、文字が同じでも累乗が異なるものは同類項とは言わないので注意してください。 \(-x\) と \(3x\) は同類項ですが、\(-x^2\) と \(3x\) は同類項と言いません。 長さを表す \((cm)\) と、面積を表す \((cm^2)\)は、性質がまったく異なるのと同じことです。 \[\boldsymbol{x^2+3ab+5ab+6}\]

という多項式では、\(3ab\) と \(5ab\) が同類項になります。 また、同類項は分配法則の逆を用いて \(1\) つにまとめることができます。

分配法則 \(\;…\;ab+ac=a \times (b+c)\)

\begin{eqnarray} & &x^2+3ab+5ab+6\\[5px] & &=x^2+\boldsymbol{\color{red}{(3+5)ab}}+6\\[5px] & &=\boldsymbol{x^2+8ab+6}\; …\; 答え \end{eqnarray}

例 題

次の多項式の同類項をまとめて、式を書き直しなさい。

\((1)\quad 2a+b-a+3b\)
\((2)\quad 3x^2-2x+5-x^2-3x+1\)

解 説
\((1)\;→\) \begin{eqnarray} & &2a+b+(-a)+3b\\[5px] & &=2a+(-a)+b+3b\\[5px] & &=\boldsymbol{\color{blue}{a+4b}}\; …\;\small{答え} \end{eqnarray}

式を加法(足し算)の形に直し、ひとつひとつの項に分けてから同類項を整理します。

\((2)\;→\) \begin{eqnarray} & &3x^2-2x+5-x^2-3x+1\\[5px] & &=3x^2+(-2x)+5+(-x^2)+(-3x)+1\\[5px] & &=(3-1)^2-(2+3)x+6\\[5px] & &=\boldsymbol{\color{blue}{2x^2-5x+6}}\; …\;答え \end{eqnarray}

\(3x^2\) と \(-x^2\)、\(-2x\) と \(-3x\) が同類項になります。

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