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円周角の定理の応用

円外の \(1\) 点からその円へ接線を引く場合、円周角の定理を利用します。円外の \(1\) 点と円の中心を結ぶ線分を直径とする新たな円をかき、 その円がもとの円と交わる \(2\) 点を定めると、交点と新たな円の直径の両端がつくる角は、それぞれその直径がつくる角 \((=180^{\circ})\) を中心角とする弧に対する円周角になります。

円の接線の長さ

直線が円とただ1点で出会うとき、その点を接点、その接点と交わる直線を円の接線といいます。円の接線には

円の接線は、接点を通る円の半径に垂直である

という性質があります。

\(\boldsymbol{1}\) つの円の円外の点からの接線の長さを求める

図において、点 \(A\) から接線を \(2\) 本引きます。接線の引き方は、次のように行います

点 \(\boldsymbol{A}\) と円の中心 \(\boldsymbol{O}\) を結ぶ
線分 \(\boldsymbol{AO}\) の垂直二等分線を作図し、\(\boldsymbol{AO}\) との交点を \(\boldsymbol{O'}\) とする
点 \(\boldsymbol{O'}\) を円の中心とし、半径 \(\boldsymbol{OO'}\) の円をかき、円 \(\boldsymbol{O}\) との交点 \(\boldsymbol{}P,\;P'\) を定める
点 \(\boldsymbol{A}\) からそれぞれ点 \(\boldsymbol{P,\;P'}\) を通る半直線をひく

このとき、 \(∠APO,\;∠AP'O\) は円 \(O'\) の直径がつくる角 \((\color{blue}{=180^{\circ}})\) を 中心角とする弧 \(\boldsymbol{AO}\) に対する円周角になります。

この線分 \(\boldsymbol{AP,\;AP'}\) の長さを、円外の点 \(A\) から円 \(O\) に引いた接線の長さといいます。ここでは、

円外の \(\boldsymbol{1}\) 点から、その円に引いた \(\boldsymbol{2}\) 本の接線の長さは等しい

ことを証明します。中心 \(O\) と接点 \(P,\;P'\) をそれぞれ結んで

証 明 \begin{eqnarray} & &△APO \small{と} \normalsize{△AP'O}\\ & &\small{において、}\\[7px] & &\boldsymbol{OP=OP'}\;――\;1\;\small{\color{crimson}{(円\;O\;の半径)}}\\[7px] & &\small{接線の性質より、}\\ & &AP ⊥ OP, AP' ⊥ OP'\\[7px] & &\small{から、}\\ & &∠APO=∠AP'O=\boldsymbol{90^{\circ}}\;――\;2\\[7px] & &\boldsymbol{AO=OA}\;――\;3\;\small{\color{crimson}{(共通の辺)}}\\[7px] \end{eqnarray}

\(1\;\sim\;3\) より、
斜辺と他の \(\boldsymbol{1}\) 辺がそれぞれ等しい \(\boldsymbol{2}\) つの直角三角形は合同であるから、 \[\boldsymbol{△APO ≡ △AP'O}\]

合同な \(\boldsymbol{2}\) つの三角形の対応する辺の長さはすべて等しいので、 \[\boldsymbol{AP=AP'}\] … 証明終わり

円外の \(1\) 点から接線を引く場合、図 \(3\) のように、\(∠APO,\;∠AP'O\) が、それぞれ円 \(O'\) の直径がつくる角 \((180^{\circ})\) を中心角とする弧 \(AO\) に対する円周角であるという性質を利用します。

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