受験生や独学する一般人のための学習サイト

  

直方体の対角線の長さ

図のような直方体 \(ABCD-EFGH\) の対角線を求めましょう。ここでは、\(AE=\boldsymbol{c},\quad EH=\boldsymbol{b},\quad GH=\boldsymbol{a}\) とします。

直方体の対角線 \(AG\) と定めます。辺 \(\boldsymbol{AE}\) は面 \(\boldsymbol{EFGH}\) に対して垂直なので、 \[\boldsymbol{AE ⊥ EG}\] よって、\(\boldsymbol{△AEG}\) は直角三角形になります

直角三角形 \(AEG\) において、三平方の定理より、 \[\boldsymbol{AG^2=AE^2+EG^2}\] このとき、 \(\boldsymbol{EG}\) は長方形 \(\boldsymbol{EFGH}\) の対角線にあたるので、同じく三平方の定理を利用します。図より、

\begin{eqnarray} & &AG^2=AE^2+(GH^2+EH^2)\\[5px] & &\hspace{10px}=c^2+a^2+b^2\\[5px] & &\hspace{10px}=a^2+b^2+c^2\\[12px] & &AG \gt 0\;より、\\[5px] & &AG=\boldsymbol{\sqrt{a^2+b^2+c^2}} \end{eqnarray}

線分 \(AG\) と同じく、線分 \(BH,\;CE,\;DF\) もこの直方体の対角線になります。また、上の計算でわかるように、直方体の対角線は、

\[\mathbf{\color{crimson}{直方体の対角線^2\;=\;たて^2 \times よこ^2 \times 高さ^2}}\]

の式で求められるので、\(1\) つの公式として利用できます。

角錐の高さ

図のように、すべての辺の長さが \(12\;cm\) の正四角錐 \(O-ABCD\) の高さを求めましょう。

正四角錐は、底面が正方形で側面が正三角形の立体になり、高さは頂点 \(\boldsymbol{O}\) から 底面 \(\boldsymbol{ABCD}\) に下ろした垂線 \(\boldsymbol{OH}\) になるので、\(OH\) の長さを求める場合、 図のような \(\boldsymbol{△OAH}\) を考えます。

\(\boldsymbol{△OAH}\) は直角三角形ですから、三平方の定理より

\[\boldsymbol{OH^2=OA^2-AH^2}\]

次に、この正四角錐を真上から見た図を考えます。

\(AH\) の長さは、底面 \(ABCD\) の対角線の半分に等しいことがわかります。底面 \(ABCD\) は正方形だから、 \(△ABC\) は直角二等辺三角形になります。 \(45^{\circ}\) を含む直角三角形の辺の長さの比より \begin{eqnarray} & &AB:BC:AC\\[5px] & &=1:1:\sqrt{2}\\[5px] & &\small{から、}\\[5px] & &AC=12\sqrt{2}\;cm\\[12px] & &\small{よって、}\\[5px] & &AH=\frac{12\sqrt{2}}{2}\\[5px] & &=6\sqrt{2}\;cm\\[5px] & &\small{これにより、}\\[5px] & &OH^2=OA^2-AH^2\\[5px] & &=(12)^2-(6\sqrt{2})^2\\[5px] & &=144-72=72\\[12px] & &OH=\sqrt{72}\\[5px] & &=±6\sqrt{2}\\[12px] & &OH \gt 0\;\small{より、}\\[5px] & &\boldsymbol{OH=6\sqrt{2}\;cm} \end{eqnarray}

角錐の体積を求める問題では、高さを明らかにしていない場合がよくあります。例題のように平面図形から高さを求めますが、そのとき三平方の定理を利用します。

演習問題へ進む >

inserted by FC2 system