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分詞が補語になる

ふだん、中学校では学習しない項目ですが、国立や私立の難関校を受験する人には必修です。ここでは、 分詞が補語 \(\boldsymbol{C}\) としてはたらく叙述用法について学習します。

第 \(\boldsymbol{2}\) 文型の補語 \(\boldsymbol{(C)}\) が分詞になる

第 \(2\) 文型 \((SVC)\) の 〈\(C=\) 補語〉 の部分に分詞が用いられることがあります。 このとき、補語になる分詞の意味上の主語が文の主語と同じになります。 ここでも、現在分詞と過去分詞の意味の違いに注意しましょう。

\(\boldsymbol{1)}\) \(\boldsymbol{C=}\;\) 現在分詞

ジェーンと私は座っておしゃべりをした。
Jane and I sat \(\boldsymbol{\color{blue}{talking}}\) to each other.
ジェーン 私は 座った 話して ~と お互い
\([\hspace{60px}S\hspace{60px}]\) \((V)\) \((\boldsymbol{\color{blue}{C}})\) \([\hspace{60px}M\hspace{60px}]\)
\(←\) 〈話しをしながら〉座っていた

現在分詞を用いると〈主語の能動的な意味〉を表しますので、

Jane and I \(were\;talking\)
という動作をしながら座っていたとなります。

I stood \(\color{blue}{lookin}\) at the setting sun.
 私は沈む夕日をながめながら立っていた。
My sister came \(\color{blue}{singing}\) with her classmates.
 妹はクラスメートと歌いながらやって来た。
He usually ramains \(\color{blue}{standing}\) during his work.
 彼はたいてい、仕事中はずっと立っています
\(←\) 立った〈ままでいる〉

この形の文には、次のような意味の動詞が用いられます。

ある地点にとどまる意味
lie(横になっている) stand (立っている) sit (座っている)

往来の意味
go (行く) come (来る)

状態を維持する意味
keep (~の状態でいる) remain (~のままでいる)

\(\boldsymbol{2)}\) \(\boldsymbol{C\;=}\;\)過去分詞

彼らはその話に〈興味があるようだった〉。
They looked \(\boldsymbol{\color{blue}{interested}}\) in the story.
彼らは 見えた。 興味を持って ~に そ の
\((S)\) \((V)\) \((C)\) \([\hspace{60px}M\hspace{60px}]\)
\(←\) 〈興味がある〉ように見えた

過去分詞を用いると〈主語の受動的な意味〉を表しますので、
They \(were\;interested\) in the story.
という状態とともに They looked. 「彼らは見えた」 ことを表わします。

He seemed \(\color{blue}{satisfied}\) with the result of the test.
彼はテストに結果に満足しているようだった
\(←\) 満足して見えた
The fact of that became \(\color{blue}{known}\) to them all.
その事実は彼ら全員に知られるようになった

とくに、第 \(2\) 文型で用いられる状態を表す動詞がよく用いられます。


第 \(\boldsymbol{5}\) 文型の補語 \(\boldsymbol{(C)}\) が分詞になる

第 \(5\) 文型 \((SVOC)\) の文型の〈\(C=\;\)補語〉の部分に分詞が用いられることがあります。 このとき、補語になる分詞 の意味上の主語が文の目的語と同じになります。この形の文に用いられる動詞には、次のようなものがあります。

知覚動詞
see, hear, watch, feel など

使役動詞
have, get, make など

その他
keep, leave, set, catch, find など

知覚動詞(ちかくどうし)は、「見る」「聞く」「感じる」などを表す動詞をいい、 使役動詞(しえきどうし)は、他人に動作を行わせたり、事態を引き起こさせることから 「~に…させる、してもらう」という意味を表す動詞を言います。ただし、使役動詞は現在分詞を用いません。

\(\boldsymbol{1)}\) \(\boldsymbol{C\;=}\;\)現在分詞

\(SVOC\) の文において、「\(\boldsymbol{S}\) は \(\boldsymbol{O}\) が ~ している \((=C)\) のを \(\boldsymbol{V}\) する」 という意味を表します。

見知らぬ人〈が〉門のそばに〈立っているのを〉見ました。
We saw a stranger \(\boldsymbol{\color{blue}{standing}}\) by the gate.
私たちは 見えた。 1人の 見知らぬ人 立っている のそばに その
\((S)\) \((V)\) \(M\) \((O)\) \([\hspace{100px}\boldsymbol{\color{blue}{C}}\hspace{100px}]\)

補語が現在分詞の場合は能動的な意味になるので、 目的語と補語の間には、

A \(stranger\) was standing

という関係が成り立ちます。

He kept me \(\color{blue}{waiting}\) here for an hour.
彼は私ここで \(1\) 時間待たせた
\(←\) 待つ状態に留めておく
\(I\) was waiting の関係
I heard the girls \(\color{blue}{singing}\) in the classroom.
私は女の子たち教室で歌っているのを聞いた。
The \(girls\) were singing の関係

\(\boldsymbol{2)}\) \(\boldsymbol{C=}\;\)過去分詞

\(SVOC\) の文において、「\(\boldsymbol{S}\) は \(\boldsymbol{O}\) が~される(されている)\([=C] \) のを \(\boldsymbol{V}\) する」 という意味を表します。

彼女はそのとき自分の名前〈が呼ばれるを〉聞いた。
She heard her name \(\boldsymbol{\color{blue}{called}}\) then.
彼女は 聞こえた。 彼女の 名前が 呼ばれた そのとき
\((S)\) \((V)\) \(M\) \((O)\) \(\boldsymbol{\color{blue}{(C)}}\) \(M\)

補語が過去分詞の場合は、受動的な意味になりますので、目的語と補語の間には、
Her \(name\) was called
という関係が成り立ちます。

I looked at my baggage \(\color{blue}{carried}\) away to my room.
私は荷物部屋へ運ばれて行くのをながめた。
\(←\) 荷物別の場所へ〈運ばられる〉
My baggage \(was\;carried\) away の関係

\(\boldsymbol{have\; [get]\;+\;(O)\;+}\) 現在分詞

\(SVOC\) の文において、「(~の状態に)させる、して(させて)おく」 という意味を表します。このとき、目的語と現在分詞には \([S\;+\;V]\) の関係が生じます。

その話は多くの人〈を〉笑わせるだろう。
The story will have many people \(\boldsymbol{\color{blue}{laughing.}}\)
そ の 話 は だろう。 させる 多くの 人々を 笑って
\(M\) \((S)\) \(V'\) \((V)\) \(M\) \((O)\) \(\boldsymbol{\color{blue}{(C)}}\)
\(←\) Many people \(laugh\).

You must not \(have\) your child \(\color{blue}{doing}\) such a thing.
 自分の子供にそんなことをさせてはいけない。
Will you \(get\) the clock on the wall \(\color{blue}{going}\) ?
 壁にかかった時計を動かしてもらえませんか。

\(\boldsymbol{have\;[get]\;+\;(O)\;+}\) 過去分詞

\(SVOC\) の文において、「(の状態に)~される、してもらう」 という意味を表します。「~される」で受け身、被害などの意味を、 「~してもらう(させる)」で使役の意味を表します。\(have\) と \(get\) では、\(get\) の方がより一般的であると言われています。

\(3\) 日前、髪の毛を切ってもらった。
I had my hair \(\boldsymbol{\color{blue}{cut}}\) three days ago.
私は してもらった。 私の 髪を 切られた \(3\) 日 前に
\((S)\) \((V)\) \(M\) \((O)\) \(\boldsymbol{\color{blue}{(C)}}\) \([\hspace{60px}M\hspace{60px}]\)
My hair \(was\;cut\).

次の \(2\) つの文を比較しましょう。

Mayumi \(had\) her wallet \(\color{blue}{stolen}\) in the train.
マユミは電車の中で財布を盗まれた
Mayumi's wallet was stolen in the train.
マユミの財布は電車の中で盗まれた

上の文は、「人」が主語の文になり、「財布が盗まれた」という「被害」を表しています。 一方、下の文では、単に財布がだれかに盗まれたという「事実」のみを表しています。 上の文のように、「人」が主語になって、「被害」を経験するという意味の受け身を「経験受け身」といいます。

Ken \(had\) his bicycle \(\color{blue}{broken}\) yesterday.
ケンは昨日、自転車を壊されました
(被 害)
I am \(getting\) a new suit \(\color{blue}{made}\).
\(←\) A new suit is made
私は新しいスーツを作ってもらっています。
(使 役)

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