いろいろな連立方程式
連立方程式には、カッコを含むものや、分数や小数を含むもの、比例式を含むもの、\(A=B=C\) の形などいろいろあり、それぞれについて解き方を身につけます。カッコを含む連立方程式
カッコを含む連立方程式では、最初にカッコをはずしてから計算します。 ・カッコを含む連立方程式を解く\(\small{①}\) | カッコをはずす |
\(\small{②}\) | 代入法・加減法を用いて連立方程式を解く |
\(\small{③}\) | 求めた解をもとの方程式に代入して、等式が成り立つか確認する |
ここでは、両方の解き方を使って解いてみましょう。
\(\boldsymbol{a)}\) 代入法で解く
・ | 〈エ〉の式を \(\boldsymbol{y}\) について解く式に直す |
・ | 〈オ〉を〈ウ〉の式に代入して、\(\boldsymbol{x}\) を消去する |
・ | \(\boldsymbol{y=-4}\) を〈オ〉の式に代入する |
・ | \(\boldsymbol{x=1,\hspace{7px}y=-4}\) をもとの式に代入して連立方程式の解として正しいか確認する |
∴ 答 え \(\boldsymbol{\color{blue}{x=1,y=-4}}\)
\(\boldsymbol{b)}\) 加減法で解く
〈ウ〉と〈エ〉を加減法で解く場合、 \(x\) と \(y\) の係数の絶対値はより小さい方が計算しやすくなるので、 ・\(2\) つの式の \(\boldsymbol{x}\) の係数を \(\boldsymbol{4}\) に合せるため、〈エ〉の式の両辺に \(\color{blue}{4}\) を掛けます \begin{array}{cccccc} & 4x & & + & 3y & = & & -8 &\\ -) & 4x & & - & 8y & = & & 36 &\\ \hline \end{array} \begin{array}{cccccc} & 4x & & + & 3y & = & & -8 &\\ \color{crimson}{+)} & \color{crimson}{-4x} & & \color{crimson}{+} & \color{crimson}{8y} & \color{crimson}{=} & & \color{crimson}{-36} &\\ \hline & & & & \boldsymbol{11}y & = & & \boldsymbol{-44} & \end{array} \(x\) の値を求める \begin{eqnarray} & &11x=-44\\[5px] & &x=-44 \div 11\\[5px] & &\boldsymbol{x=-4} \end{eqnarray} ・ここでは、〈オ〉の式に代入して \begin{eqnarray} x &=&9+2 \times (-4)\\[5px] &=&9+(-8)=9-8\\[10px] & &\boldsymbol{x=1} \end{eqnarray} これらが連立方程式の解として正しいかどうかを、同じようにもとの〈ア〉〈イ〉の式に代入します。少数や分数を含む連立方程式
係数に小数や分数を含む方程式は、計算が複雑になるので、小数や分数を含まないものに変形してから計算します。小数・分数を含む連立方程式の解き方
\(\small{①}\) | 式の両辺にある数を掛けて、小数や分数を含まない形にする |
\(\small{②}\) | 代入法・加減法を用いて連立方程式を解く |
\(\small{③}\) | 求めた解をもとの方程式に代入して、等式が成り立つかを確認する |
例 題:
次の連立方程式を解きなさい。
解 説
次の連立方程式を解きなさい。
\((1)\) | \begin{eqnarray} \left\{ \begin{array}{l} 0.6x-4y=4\\[10px] 0.5x+y=12 \end{array} \right. \end{eqnarray} | \((2)\) | \begin{eqnarray} \left\{ \begin{array}{l} \cfrac{x}{3}+\cfrac{y}{2}=1\\[10px] 5x+4y=1 \end{array} \right. \end{eqnarray} |
\((1)\) 上の式をア、下の式をイとして \begin{eqnarray} \left\{ \begin{array}{l} \boldsymbol{0.6x-4y=4}\;――\;ア\\[10px] \boldsymbol{0.5x+y=12}\;――\;イ \end{array} \right. \end{eqnarray}
\(\small{①}\) | 式の両辺にある数を掛けて、小数や分数を含まない形にする |
\(\small{②}\) | 代入法・加減法を用いて連立方程式を解く |
\(\small{③}\) | 解をもとの式に代入して連立方程式の解として正しいか確認する |
\(\small{①}\) | それぞれの式の両辺にある数を掛けて、小数や分数を含まない形にする |
\(\boldsymbol{a)}\) | 〈イ〉に「\(\boldsymbol{2}\)」を、〈ウ〉に「\(\boldsymbol{5}\)」を掛けて \(\boldsymbol{x}\) を消去 |
\(\boldsymbol{b)}\) | 〈イ〉に「\(\boldsymbol{3}\)」を、〈ウ〉に「\(\boldsymbol{4}\)」を掛けて \(\boldsymbol{y}\) を消去 |
\(\small{③}\) | この解をもとの方程式に代入して等式が成り立つかを確認する |
\(\small{①}\) | 連立方程式の種類から式を整理する |
(カッコをはずし、分数・小数を含まない式に変える) | |
\(\small{②}\) | 代入法か加減法のどちらで解くかを決める |
\(\small{③}\) | \(\boldsymbol{x,\;y}\) の値を求める |
\(\small{④}\) | \(\small{③}\) の解をもとの式に代入して連立方程式の解として正しいか確認する |