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文字式

数の代わりに文字を使って表した式を文字式(もじしき)といいます。 ふつう、文字には英語のアルファベットが用いられ、\(2 \times 4\) の 「\(4\)」 の代わりに \(\boldsymbol{a}\)を使って、 \(2 \times a\) のように表現します。文字を使った式の表し方にはいくつかルールがあります。

 
文字と式 主な学習のポイント
・文字を使った数式の決まりを理解する
・文字式の計算をマスターする
・身も回りで使われる文字式について学ぶ
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文字式の表し方

文字を使った式の表し方には、いくつかルールがあります。

ルール\(\boldsymbol{1}\)
 ――乗法記号「\(\;\times\;\)」をつけない
\[\large{2 \times a=\boldsymbol{2a}}\] 数字だけの式では乗法を表す記号「\(\;\times\;\)」を用いて、 \(2 \times 4\) のように表しますが、文字式では「\(\;\times\;\)」を省略します。

ルール\(\boldsymbol{2}\)
 ――数字と文字の積は「数字」「文字」の順
\begin{eqnarray} & &\large{b \times 5}\\[5px] & &\;\large{=5 \times b}\\[5px] & &\;\large{=\boldsymbol{5b}} \end{eqnarray} ふつう、数どうしの計算では、「乗法の交換法則」を使って、乗法(掛け算)の順番を変えられますが、 文字を使った式では必ず〈数字〉\(+\)〈文字〉の順にしなければなりません。

ルール\(\boldsymbol{3}\)
 ――\(\boldsymbol{2}\) 文字以上の積はアルファベット順
\begin{eqnarray} & &\large{c \times a \times 12}\\[5px] & &\large{=12 \times a \times c}\\[5px] & &\large{=\boldsymbol{12ac}} \end{eqnarray}

英語のアルファベットは \(a\;\sim\;z\) まで \(26\) 文字あり、 辞書に載っている英単語もすべてアルファベット順に並んでいます。文字式もアルファベット順に書くようなクセづけをしておきましょう。

ルール\(\boldsymbol{4}\)
 ――「\(\boldsymbol{1} \times\) 文字」では \(1\) を省く
\begin{eqnarray} & &\large{-1 \times x \times a}\\[5px] & &\large{=-1 \times a \times x}\\[5px] & &\large{=-1ax=-ax}\\[5px] & &\large{=\boldsymbol{-ax}} \end{eqnarray}

\(1 \times 4\) や \(-8 \times 1\) などでは、\(\boldsymbol{1}\) を掛けても掛けられてもその積は変わらないことから、 「\(1 \times\) 〈文字〉」「〈文字〉 \(\times 1\)」の式では、 \(1\) を省略します。

\begin{eqnarray} & &(1)\quad a \times 1\\[5px] & &(2)\quad (-1) \times b\\[5px] & &(3)\quad 0.1 \times c \end{eqnarray}
上の文字式で、
\((1)\) は、 \(a \times 1=1a\) \(⇒\) \(\boldsymbol{1}\) と \(\times\) をのぞく \(⇒\) \(\boldsymbol{\color{darkblue}{a \times 1=a}}\)

\((2)\) は、\((-1) \times b=-(1 \times b)\) \(⇒\) \((\boldsymbol{-1})\) と \(\times\) をのぞく \(⇒\) \(\boldsymbol{\color{darkblue}{(-1) \times 1=-b}}\)

\((3)\) は、 \(0.1 \times c=0.1c\) \(⇒\) \(\boldsymbol{1}\) と \(\times\) をのぞく \(⇒\) \(\boldsymbol{\color{darkblue}{0.1 \times c=0.c}}\)

\((3)\) は誤り。このルールは「\(2\) 数の積が変わらない」ことが条件で、掛ける数、掛けられる数が 整数\(\boldsymbol{1}\) \((\color{blue}{=1,\;-1})\) のときに限られます。正しくは \[\boldsymbol{\color{blue}{0.1 \times c=0.1c}}\] のように表します。

ルール\(\boldsymbol{5}\)
 ――同じ文字の積は「累乗」で表す
\begin{eqnarray} & &\large{a \times b \times b\boldsymbol{=ab^2}}\\[7px] & &\large{\frac{-2 \times b \times b \times b}{3 \times c}}\\[7px] & &\large{\boldsymbol{=\color{blue}{-\frac{2b^3}{3c}}}} \end{eqnarray} \(3 \times 3=3^2\) のように、同じ文字の積は \(2\) つ以上並べて書かずに、累乗の形で表します。

ルール\(\boldsymbol{6}\)
 ――除法では「\(\;\div\;\)」記号を省き分数で表す
\begin{eqnarray} & &\large{2 \div y\boldsymbol{=\color{blue}{\frac{y}{2}}}}\\[5px] & &\large{-b \div 3a\boldsymbol{=\color{blue}{-\frac{b}{3a}}}} \end{eqnarray} 文字式の乗法(掛け算)では「\(\;\times\;\)」の記号を省略しますが、除法(割り算)でも「\(\;\div\;\)」の記号を省いて、分数の形に直します。

ルール\(\boldsymbol{7}\)
 ――カッコのついた式も表現は同じ
\begin{eqnarray} & &\large{(a+b) \times 2\boldsymbol{=\color{blue}{2(a+b)}}}\\[7px] & &\large{(a+b) \div 2\boldsymbol{=\color{blue}{\frac{a+b}{2}}}} \end{eqnarray} カッコがついた文字式においても、ルール \(1\;\sim\) ルール \(6\) を適用します。

 

数量関係を文字式に表す

次に、実際に文字を使って数量の関係を式で表してみましょう。

・「\(\boldsymbol{50}\) 円のはがきを \(\boldsymbol{8}\) 枚買ったときの代金」 \begin{eqnarray} & &→\\[5px] & &50\;\small{\text{(円)}}\;\normalsize{\times 8}\;\small{\text{(枚)}}\\[5px] & &\;\boldsymbol{=400}\;\small{\text{(円)}} \end{eqnarray}

・「\(\boldsymbol{50}\) 円のはがきを \(\boldsymbol{x}\) 枚買ったときの代金 \(=\boldsymbol{80}(\)円\()\; \times x\) \((\)枚\()\)」 の代金
\begin{eqnarray} & &→\\[5px] & &80 \times x\\[5px] & &\boldsymbol{=80x}\;\small{\text{(円)}} \end{eqnarray}

・「 \(\boldsymbol{1}\) 個 \(\boldsymbol{110}\) 円のシュークリーム \(\boldsymbol{3}\) 個と \(\boldsymbol{1}\) 個 \(\boldsymbol{50}\) 円のミカンを \(\boldsymbol{6}\) 個買ったときの代金」
\begin{eqnarray} & &→\\[5px] & &\{\color{blue}{100 \times 3}\}\;\small{\text{(円)}}\normalsize{+\{\color{blue}{50 \times 6}\}}\;\small{\text{(円)}}\\[5px] & &\;=(300+300)\;\small{\text{(円)}}\\[5px] & &\;\boldsymbol{=600}\;\small{\text{(円)}} \end{eqnarray} \(1\) 個 \(110\) 円のシュークリーム \(3\) 個の値段は \((110 \times 3)\) 円、 \(1\) 個 \(50\) 円のみかん \(6\) 個の値段は \((50 \times 6)\) 円だから、\(2\) つの合計になります。

・「\(\boldsymbol{1}\) 個 \(\boldsymbol{m}\) 円のシュークリーム \(\boldsymbol{3}\) 個と \(\boldsymbol{1}\) 個 \(\boldsymbol{n}\) 円のミカンを \(\boldsymbol{6}\) 個買ったときの代金」
\begin{eqnarray} & &→\\[5px] & &\{m \times 3\}\;\small{\text{(円)}}\normalsize{+\{n \times 6\}}\;\small{\text{(円)}}\\[5px] & &\;\boldsymbol{=3m+6n}\;\small{\text{(円)}} \end{eqnarray} 同じく、 \(1\) 個 \(m\) 円のシュークリーム \(3\) 個の値段は\((\boldsymbol{m \times 3})\) 円、\(1\) 個 \(n\) 円のみかん \(6\) 個の値段は \((\boldsymbol{n \times 6})\) 円なので、\(2\) つの合計になります。 このように、具体的な数の代わりに文字に置き換えた式でも同じような表現ができます。また、文字式での表し方に困ったら、具体的な数字をあてはめて考えると 表現しやすくなります。

 

式の値

文字式 \(x+4\) において、 \(x=2\) のとき、この式の値を求める場合、文字式の文字を数 に置きかえることを「代入」するといいます。  文字の〈代〉わりに数を〈入〉れるから「代入」と覚えてください。 数字の \(2\) のような文字式に代入する数を「文字の値」、代入して出た計算の答えを「式の値」といいます。

次の式の値を求めましょう。
\((1)\) \(x=2\) のとき、 \(x^2+6x-10\) の値
\((2)\) \(x=-3\) のとき、 \(x^2-5x+8\) の値

\begin{eqnarray} & &(1)\quad x^2+6x-10\\[5px] & &\hspace{10px}\times\small{\text{記号を使用}}\;\normalsize{→}\\[5px] & &\hspace{20px}=x \times x+6 \times x-10\\[5px] & &\hspace{10px}x=2\;\small{\text{を代入}}\;\normalsize{→}\\[5px] & &\hspace{20px}=\color{blue}{2} \times \color{blue}{2}+6 \times \color{blue}{2}-10\\[5px] & &\hspace{20px}=4+12-10\\[5px] & &\hspace{20px}=16-10\\[5px] & &\hspace{20px}=\boldsymbol{6}\;\small{\text{… 答え}} \end{eqnarray}

\begin{eqnarray} & &(2)\quad x^2-5x+8\\[5px] & &\hspace{20px}=x \times x-5 \times x+8\\[5px] & &\hspace{10px}x=-3\;\small{\text{を代入}}\;\normalsize{→}\\[5px] & &\hspace{20px}=\color{blue}{(-3)} \times \color{blue}{(-3)}-5 \times \color{blue}{(-3)}+8\\[5px] & &\hspace{20px}=9+(-5) \times (-3)+8\\[5px] & &\hspace{20px}=9+15+8\\[5px] & &\hspace{20px}=\boldsymbol{32}\;\small{\text{… 答え}} \end{eqnarray}

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