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平均の問題
平均(へいきん)の〈均〉には「等しい」という意味があり、「〈平〉らに〈等〉しくする」となります。
「今回のタケシの期末テストの結果は、下の表のようになった。そのとき、すべての学科の点数の平均点が \(70\) 点であったとすれば、タケシの数学のテストは何点かを求めなさい。」
国 語 |
数 学 |
理 科 |
社 会 |
英 語 |
\(64\) |
|
\(65\) |
\(78\) |
\(70\) |
各教科の点数をグラフにしてみましょう。
平均点が \(70\) 点であるということは、下図のように各科目のバラバラであった点数がすべて \(70\) 点になるのと同じこと。
平均点を求め場合、各要素の合計をそれぞれに等しく分け与えるようにします。 \(5\) 教科の平均点が \(70\) 点であるためには、 \(5\) 教科の合計が、
\[\boldsymbol{\color{darkblue}{70 (点) \times 5 (教科)=350 (点)\;\small{\text{ ―― ①}}}}\]
になります。この合計点を科目数 \(5\) で割ると、
\[\boldsymbol{\color{darkblue}{350 (点) \div 5 (教科)=70 (点)\;\small{\text{ ―― ②}}}}\]
問題のように、数学 \(1\) 教科の点数が分からないときには、数学の点数を \(x\) 点として全得点を表す方程式をつくります。
タケシがとったテストの合計点数は
\((64+x+65+78+70)\) 点ですから \(\small{①}\) より、
\begin{eqnarray}
x &=&350-64-64-78-70\\[5px]
&=&350-(64+65+78+70)\\[5px]
&=&350-277\\[5px]
&=&73
\end{eqnarray}
また、\(\small{②}\) より、その合計点を \(5\) つの科目に等しく分けるために \(5\) で割ると、
\begin{eqnarray}
& &\frac{(64+x+65+78+70)}{5}=70\\[5px]
& &\frac{(64+x+65+78+70)}{5} \times \color{red}{5}=70 \times \color{red}{5}\\[5px]
& &(64+x+65+78+70)=350\\[5px]
& &x=350-64-64-78-70\\[5px]
& &\;=350-277\\[5px]
& &\;=73
\end{eqnarray}
「平均」に関する問題では、「平均との差」から方程式を解く方法があります。
\(\boldsymbol{70}\) を基準にして、英語は基準よりどれだけ低く、社会はどれだけ高いかを割り出し、
そこから \(x\) を求めます。上の表を用いて、平均点との差を見てみましょう。
|
国 語 |
数 学 |
理 科 |
社 会 |
英 語 |
平均との差 |
\(-6\) |
- |
\(-5\) |
\(+8\) |
\(0\) |
数学を加えた \(5\) 科目の平均が \(70\) 点になるには、「点数との差」の合計が「\(0\)」になるようにします。
よって、数学の点数の平均点との差 \(x\) を求める方程式は、
\[\boldsymbol{\color{darkblue}{(-6)+x+(-5)+8+0=0}}\]
これを解いて、
\begin{eqnarray}
& &x=0+6+5-8-0\\[5px]
& &x=11-8\\[5px]
& &x=3
\end{eqnarray}
これにより、タケシがとった数学のテストの点数は
\(70+3=\boldsymbol{73}\) (点) |
平均点を基準にして考えると、扱う数が小さいものになるので計算が楽になる場合があり、考えとしては有効であるといえます。ぜひ覚えておきましょう。
速さの問題
「湖のまわりを \(1\) 周する場合、自転車で毎分 \(210m\) の速さで走るのと、毎分 \(70m\) の速さで歩くのとでは、 \(1\) 周するのに
\(12\) 分 \(30\) 秒の時間差があるとき、湖を \(1\) 周する距離を求めなさい」
注意点 |
「速さ」の問題では、時間や距離の単位をそろえることに注意する |
ここでは、毎分の〈分〉と \(12\) 分 \(30\) 秒の〈秒〉という \(2\) つの単位が使われているので、〈分〉に統一します。
\[30\;\small{\text{秒}}\normalsize{=30 \div 60=\boldsymbol{\cfrac{1}{2}}}\;\small{\text{(分)}}\]
を使います。次に、数量関係を表にまとめます。
|
速さ \(\boldsymbol{(/m)}\) |
時間 (分) |
道のり \(\boldsymbol{(m)}\) |
自転車 |
\(240\) |
\(\cfrac{x}{240}\) |
\(x\) |
歩 き |
\(80\) |
\(\cfrac{x}{80}\) |
\(x\) |
「自転車で走るのと歩くのとでは \(1\) 周するのに |
\(\boldsymbol{12}\) 分 \(\boldsymbol{30}\) の時間差がある」 |
とあるので、これを式に表します。
「歩いて湖を \(1\) 周すると、自転車で \(1\) 周するより |
\(\boldsymbol{12}\) 分 \(\boldsymbol{30}\) 秒多く時間がかかる」 |
と言い換えることができるので、
\begin{eqnarray}
& &\frac{x}{80}-\frac{x}{240}=12\frac{1}{2}\\[5px]
& &\;=\frac{25}{2}\\[12px]
& &\left(\frac{x}{80}-\frac{x}{240} \right) \times \color{red}{240}=\frac{25}{2} \times \color{red}{240}\\[5px]
& &\color{blue}{\frac{x}{80} \times 240-\frac{x}{240} \times 240}\\[5px]
& &\;=\frac{25}{2} \times 240\\[5px]
& &3x-x=25 \times 120\\[5px]
& &2x=3000\\[5px]
& &\;\boldsymbol{x=1500}
\end{eqnarray}
\(∴\quad\)湖を \(\boldsymbol{1}\) 周する長さ \(\boldsymbol{1500m}\) … 答え
割合の問題
「もとになる数量の何倍か」 を表すのが「割合」です。
\((1)\) ある数 \(x\) の \(8%\) が \(16\) であるときの \(x\) の値を求めなさい
「もとになる数 \(\boldsymbol{x}\) の \(\boldsymbol{\cfrac{8}{100}}\) 倍は \(\boldsymbol{16}\)」 |
と置き換えて、次のような方程式を立てます。
\[\boldsymbol{\color{darkblue}{x \times \cfrac{8}{100}=16}}\]
これを解いて、
\begin{eqnarray}
& &x \times \frac{2}{25}=16\\[5px]
& &\left(x \times \frac{2}{25} \right) \times \color{red}{25}=16 \times \color{red}{25}\\[5px]
& &25x \times 2=400\\[5px]
& &50x=400\\[5px]
& &50x \div 50=400 \div 50\\[5px]
& &\;\boldsymbol{x=8}\;\small{\text{ … 答え}}
\end{eqnarray}
\((2)\) 定価の \(2\) 割引きの \(960\) 円で買える \(CD\) がある。この \(CD\) の定価を求めなさい。
求める答えは「\(CD\) の定価」だから、\(CD\) の定価を \(x\) 円とします。「定価の\(2\) 割引きの\(960\) 円で買える」 は、「\(\boldsymbol{x}\) 円の \(\boldsymbol{2}\) 割引きが \(\boldsymbol{960}\) 円」
と言い換えられるので、
「\(\boldsymbol{x}\) 円の \(\boldsymbol{\cfrac{20}{100}}\) 倍を引いた値段が \(\boldsymbol{960}\) 円である」 |
として、これを式に表します。ただし、
「\(x\) 円の \(\cfrac{20}{100}\) 倍を引く」は、 |
「\(x\) 円の \(\cfrac{20}{100}\)倍を \(\boldsymbol{x}\) 円から引く」 |
ことなので、次のような方程式をたてます。
\[\boldsymbol{\color{darkblue}{x \times \left(1-\cfrac{20}{100} \right)=960}}\]
これを解いて、
\begin{eqnarray}
& &x-\frac{x}{5}=960\\[5px]
& &\left(x-\frac{x}{5} \right) \times \color{red}{5}=960\times \color{red}{5}\\[5px]
& &5x-x=4800\\[5px]
& &4x=4800\\[5px]
& &4x \div \color{red}{4}=4800 \div \color{red}{4}\\[5px]
& &\;\boldsymbol{x=1200}
\end{eqnarray}
\(∴\quad \boldsymbol{CD}\) の定価は \(\boldsymbol{1200}\) 円 … 答え