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\(\boldsymbol{2}\) 次方程式の解き方

「\(\boldsymbol{x}\) についての \(\boldsymbol{2}\) 次式が \(\boldsymbol{0}\) に等しい」という等式で表す方程式を \(2\) 次方程式といいます。この方程式について、式を満たす \(x\) の値を方程式の解といい、解を求めることを方程式を解くといいます。ここでは、方程式の解を求める \(5\) つの方法について学習します。

\(\boldsymbol{2}\) 次方程式 主な学習のポイント
・\(\boldsymbol{2}\) 次方程式とその解について
・\(\boldsymbol{2}\) 次方程式の解き方をマスターする
・\(\boldsymbol{2}\) 次方程式の文章問題
この項目についてお聞きになりたいことは、 「*ご質問・お問わせ」からお願いします

\(\boldsymbol{2}\) 次方程式

\(ax^2+bx+c=0 \quad (a \gt 0)\) のように、\(x\) の \(2\) 次式を含む方程式を \(2\) 次方程式といいます。また、\(x\) についての方程式において、方程式を成り立たせる \(x\) の値 を「方程式の解」といい、解を求めることを「方程式を解く」といいます。ただし、\(x\) の \(2\) 次式である \(2\) 次方程式の場合、 方程式の解は \(1\) つとは限りません。方程式には文字の数だけ解があるので、\(2\) 次方程式なら、ふつう解は \(2\) つ存在することになります。ここでは、まず、 \(2\) 次方程式の解き方を理解します。

解き方 \(\boldsymbol{1}\):共通因数をくくり出す

方程式の計算で、 \[\boldsymbol{\color{blue}{\large{x^4-5x^3+4x^2}}}\] を因数分解する場合、このままでは計算が複雑になるので、 すべての項に共通の因数をくくり出します。この場合、\(x^2\) でくくり出します。

\begin{eqnarray} & &→\\[5px] & &x^2(x^2-5x+4)\\[5px] & &\small{から、}\\[5px] & &\boldsymbol{x^2(x-1)(x-4)} \end{eqnarray}

という解が得られます。
方程式の計算では、最初に共通因数でくくり出せる項を探す

解き方 \(\boldsymbol{2}\):平方

\(2\) 次方程式の解き方の \(2\) つ目は、平方根を用いる方法です。「平方根の定義:\(x^2=a\) を満たす \(x\) は \(a\) の平方根である」 から、\(ax^2+bx+c=0\) を整理、展開して \[\boldsymbol{\color{blue}{\large{ax^2=k}}}\quad(k\;\gt\;0)\] の形になれば方程式を解くことができます。

ある数 \(\boldsymbol{x}\) を \(\boldsymbol{2}\) 乗して \(\boldsymbol{4}\) 倍すると、\(\boldsymbol{16}\) になるときの \(\boldsymbol{}x\) の値」 を式に直すと

\[4x^2=16\] となるので、両辺を \(\boldsymbol{4}\) で割り、 \begin{eqnarray} & &x^2=4\\[5px] & &x=±\sqrt{4}\\[5px] & &=±2 \end{eqnarray} よって、\(2\) 次方程式 \(ax^2=k \quad (k ≧ 0)\) を解くには、

両辺を \(\boldsymbol{a}\) で割り、\(\boldsymbol{x^2=□}\) の形にする
\(x^2=\cfrac{k}{a}\)
\(→\) \(\boldsymbol{x=±\sqrt{\cfrac{k}{a}}}\) … 解

の手順で行います。

解き方 \(\boldsymbol{3}\):平方完成

\(2\) 次方程式の解き方:\(1\) では、左辺が単項式の \(2\) 乗の形でしたが、ここでは多項式の \(2\) 乗の形になります。 \[\boldsymbol{\color{blue}{\large{(x+a)^2=k}}}\quad(k\;\gt\;0)\]

ある数 \(\boldsymbol{x}\) に \(\boldsymbol{4}\) を加え、\(\boldsymbol{2}\) 乗するとその値が \(\boldsymbol{49}\) であるときの \(\boldsymbol{x}\) の値」 を求めます。

\begin{eqnarray} & &(x+4)^2=49\\[7px] & &x+4=A \small{に置き換えて、}\\[7px] & &A^2=49\\ & &A =±\sqrt{49}\\ & &\hspace{14px}=±7\\[7px] & &A \small{をもとにもどして}\\[7px] & &x+4=±7\\ & &\small{より}\\[7px] & &x+4=7\\ & &\small{のとき}\\ & &x=7-4=3\\[7px] & &x+4=-7\\ & &\small{のとき}\\ & &x=-7-4=-11\\[7px] & &∴ \boldsymbol{x=-11,\;3} \end{eqnarray} よって、\(2\) 次方程式 \((x+a)^2=k\)を解くには、

・カッコ内を文字 \(\boldsymbol{\color{crimson}{A}}\) に置き換えて
・\(\boldsymbol{A^2=k}\) にする
・\(\boldsymbol{A=±\sqrt{k}}\) から
・置き換えた文字をもとにもどす
\(→\) \(\boldsymbol{x=±\sqrt{k}-a=-a ±\sqrt{k}}\) … 解
 

の手順で行います。\(1\) 度置きかえた多項式を必ずもとに戻すことを忘れないように。 
左辺に \(2\) 乗の形があれば、平方根を利用して方程式が解けますが、利用できない場合もあります。そのようなとき、\((x+a)^2=k\) の形に変形できる場合があります。これを、「平方完成」 といいます。 \(2\) 次方程式 \[\boldsymbol{\color{blue}{\large{x^2+6x-4=0}}}\] は、左辺を平方の形にできません。そこで、一工夫します。

方程式の \(\boldsymbol{\color{red}{-4}}\) を移項する \[x^2+6x=4\;――\;1\]

乗法公式 ―― \((x+a)^2=x^2+2ax+a^2\)
より、\(1\) の式の両辺に \(6\) の半分の \(3\) の \(2\) 乗を加えます。

\begin{eqnarray} & &→\\[5px] & &x^2+6x \boldsymbol{\color{blue}{+(3)^2}}=4 \boldsymbol{\color{blue}{+(3)^2}}\\[5px] & &x^2+6x+9=4+9\\[5px] & &\boldsymbol{(x+3)^2=13}\\[5px] & &x+3=±\sqrt{13}\\[5px] & &x=±\sqrt{13}-3\\[5px] & &∴ \boldsymbol{x=-3±\sqrt{13}}\;…\;答え \end{eqnarray}

\(2\) 次方程式 \(ax^2+bx+c=0 \) において、 \begin{eqnarray} & &ax^2+bx+c=0\\[5px] & &→\\[5px] & &\color{crimson}{x^2+\frac{b}{a}x+\frac{c}{a}}=0 \end{eqnarray} のように直したとき、\(\cfrac{b}{a}\) の半分が簡単な整数 のときに、左辺を平方完成できます。

平方完成で \(2\) 次方程式を解くには
\(\small{①}\) \(\boldsymbol{x^2+mx+n=0}\) の \(\boldsymbol{x}\) の係数 \(\boldsymbol{m}\) に着目
\(\small{②}\) \(\boldsymbol{m}\) の半分が簡単な整数になる
\(\small{③}\) \(\small{②}\) の \(\boldsymbol{2}\) 乗を両辺に加える
\(\small{④}\) \(x^2+mx=-c\)
\(x^2+mx+\left(\cfrac{m}{2}\right)^2=-c+\left(\cfrac{m}{2}\right)^2\)
\(\left(x+\cfrac{m}{2}\right)^2=-c+\left(\cfrac{m}{2}\right)^2\)
\(\small{⑤}\) \(x+\cfrac{m}{2}=±\sqrt{\left(\cfrac{m}{2}\right)^2-c}\)
\(\small{⑥}\) \(x=±\sqrt{\left(\cfrac{m}{2}\right)^2-c}-\cfrac{m}{2}\)
\(\boldsymbol{x=-\cfrac{m}{2}±\sqrt{\left(\cfrac{m}{2}\right)^2-c}}\)
のような解が得られます。

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