受験生や独学する一般人のための学習サイト

  

相似の基礎

相似(そうじ)は日本語で、「一方の形や性質が他方のそれを丸写ししたように、互いに似ていること」という意味になりますが、数学では、「\(1\) つの図形を均等に拡大または縮小して他と完全に重なる状態(\(=\) 合同)のこと」をいいます。

図形と相似 主な学習のポイント
・相似の意味と相似な図形の性質
・三角形の相似条件を利用した図形の性質の証明
・相似な図形の相似比、面積比、体積比
この項目についてお聞きになりたいことは、 「*ご質問・お問わせ」からお願いします

相 似

ある図形を形を変えずに、一定の割合で大きくすることを拡大するといい、 小さくすることを縮小するといいます。 さらに、拡大した図形を拡大図、縮小した図形を縮図といいます。 このように、拡大したり縮小したりしてできた図形と、もとの図形との関係を 相似(そうじ)といいます。 また、もとの図形に対する拡大図や縮図を相似な図形と呼びます。
次の \(△ABC\) を、形を変えずに一定の割合で大きくした \(△DEF\) は拡大図、\(△GHI\) は縮図になります。

相似な関係にある図形どうしを表す場合、記号「\(\boldsymbol{\sim}\)」を用いて表します。 \[\boldsymbol{\color{blue}{△ABC \sim △DEF \quad △ABC \sim △GHI}}\]

相似な図形の性質

図において、 は相似な関係にあり、イ は ア を \(\boldsymbol{1.5}\) 倍に拡大したものです。

もとの の図形を \(\boldsymbol{1.5}\) 倍に拡大した図形が であるとき、イ の図形の各辺に対応する アの図形の辺の長さも \(1.5\) 倍になります。このように、相似な \(\boldsymbol{2}\) つの図形の対応する辺の長さの比相似比(そうじひ)といいます。四角形 \(ABCD\) と拡大した四角形 \(EFGH\) の相似比は \(1.5\) ですから、 \begin{eqnarray} & &四角形\;ABCD\;:\;四角形\;EFGH\\[5px] & &\hspace{12px}=1:1.5\\[5px] & &\hspace{12px}=\boldsymbol{2:3} \end{eqnarray} になります。また、\(2\) つの図形の対応するそれぞれの辺の長さの比は相似比と等しくなるので、 \begin{eqnarray} & &AB:EF=BC:FG\\[5px] & &\hspace{12px}=CD : GH\\[5px] & &\hspace{12px}=DA:HE\\[5px] & &\hspace{12px}=\boldsymbol{2:3} \end{eqnarray} また、 はもとの を形を変えずに拡大したものなので、 \(\boldsymbol{2}\) つの図形の対応する角はすべて等しく、 \begin{eqnarray} & &∠A=∠E,\quad ∠B=∠F,\\[5px] & &∠C=∠G,\quad ∠D=∠H \end{eqnarray} このことから、相似な図形には、
対応する辺の長さの比はすべて等しい
対応する角の大きさはすべて等しい
という性質があります。

相似の中心と相似の位置

上の \(2\) つの図形において、 \begin{eqnarray} & &OE=2OA,\quad OF=2OB,\\[5px] & &OG=2OC,\quad OH=2OD\\[12px] & &\small{であるならば、}\\[5px] & &OA:OE=OB:OF\\[5px] & &=OD:OH=OC:OG\\[5px] & &=\boldsymbol{1:2} \end{eqnarray} このように、\(2\) つの図形の対応する点を通る図形がすべて点\(O\) を通り、\(O\) から各点までの距離の比がすべて等しいとき、 この \(2\) つの図形は「相似の位置」にあるといい、点\(O\) を「相似の中心」といいます。 このとき、相似の中心から対応する各点までの距離の比は \(2\) つの図形の相似比と一致します。

∴ 相似比 \(\small{\mathbf{四角形}}\;\normalsize{\boldsymbol{ABCD}}\;:\;\small{\mathbf{四角形}}\;\normalsize{\boldsymbol{EFGH=1:2}}\)

演 習

\((1)\) 点 \(O\) を相似の中心とし、\(△ABC\) を \(3\) 倍に拡大した \(△DEF\) を図に書き入れなさい。

\((2)\) 点 \(O\) を相似の中心とし、四角形 \(ABCD\) を \(\cfrac{1}{2}\) に縮小した四角形 \(EFGH\) を図に書きなさい。

inserted by FC2 system