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受動態と文型

受動態にできるのは、目的語を必要とする他動詞を含む、第 \(3\) 文型 \((SVO)\)、第 \(4\) 文型 \((SVOO)\)、第 \(5\) 文型 \((SVOC)\) の \(3\) つの文型 の文に限られます。基本文型がよく分からない人は、中 \(2\) 英文法の基本文型の項目をもう \(1\) 度読み返してください。

第 \(\boldsymbol{3}\) 文型 \(\boldsymbol{SVO}\) の受動態

この文型の能動態の文を受動態に書きかえると、目的語がなくなり、第 \(1\) 文型 \[S\;+\;V\;+\;M\quad [\color{blue}{M=by\;\sim}]\] の文 になります。

\((SVO)\)
A lot of people sang \(\color{red}{that\;song}\).
\(→\;(SV)\)
\(\color{red}{That\;song}\) was sung by a lot of people.
その歌は多くの人に歌われた

\((SVO)\)
Many people speak \(\color{red}{English}\) today.
\(→\;(SV)\)
\(\color{red}{English}\) is spoken by many people today.
今日、英語は多くの人々に話されている

第 \(\boldsymbol{4}\) 文型 \(\boldsymbol{SVOO}\) の受動態

間接目的語 \([IO]\) と直接目的語 \([DO]\) の \(2\) つの目的語があるので、ふつう \(\boldsymbol{2}\) 通りの受動態の文に書きかえられます。

She teaches us English.

私たちは彼女から英語を教わる
\(\boldsymbol{\color{blue}{We}}\) are taught English by her.
私たちは です。 教えられた 英語を によって 彼女
\((S)\) \(V'\) \((V・C)\) \((O)\) \([\hspace{40px}M\hspace{40px}]\)
\(\color{darkblue}{(SVOO)\;→\;(SVO)}\)

英語は私たちが彼女から教わる
\(\boldsymbol{\color{blue}{English}}\) is taught to us by her.
英語は です。 教えられた 私たち によって 彼女
\((S)\) \(V'\) \((V・C)\) \([\hspace{40px}M\hspace{40px}]\) \([\hspace{40px}M\hspace{40px}]\)
\(\color{darkblue}{(SVOO)\;→\;(SV)}\)

\(2\) つの目的語のうち、受動態の主語にならないほうの目的語は動詞の後に残しますが、 間接目的語を後に残す場合は、その前に、ふつう前置詞 \(to\) または \(for\) がつきます。 この使い分けは、使用する動詞で決まります。 詳しくは、中学 \(2\) 年「第 \(4\) 文型 ⇔ 第 \(4\) 文型 の書き換え」の項目をご覧ください。

・疑問詞が間接目的語の場合

:必ず前置詞が必要になります
「その手紙は、だれ宛ですか」
Who was the letter written \(\boldsymbol{\color{yellow}{to}}\) ?
\(→\) \(\boldsymbol{\color{yellow}{To\;whom}}\) was the letter written ?

第 \(4\) 文型から第 \(3\) 文型への書きかえで、前置詞に \(for\) を伴う動詞 [make, write, cook ...] を含む文が受動態になると意味が通らなくなるものがありますので注意します。

My sister \(cook\) me lunch today.
今日は妹が私に昼食を作ってくれた
\(→\quad\)○ \(\boldsymbol{\color{red}{Lunch}}\) was cooked for me \(by\) my sister today.
今日、昼食は妹に作ってもらった
\(←\) 妹によって私のために〈作られた〉
\(→\quad \times\) \(I\;was\;cooked\) lunch by my sister today.
\(≠\) 〈私が料理される〉はおかしい

第 \(\boldsymbol{5}\) 文型 \(\boldsymbol{SVOC}\) の受動態

この文型の受動態では、補語はそのまま過去分詞の直後に置かれます。そして、 受動態に書きかえられた文は、第 \(\boldsymbol{2}\) 文型 \((SVC)\) になります。

能動態:\(SVOC\)
Jane named her dog \(\color{red}{Shiro}\).
ジェーンは自分の犬をシロと名付けた
\(→\) 受動態:\(SVC\)
Jane's dog \(was\;named\) \(\color{red}{Shiro}\;by\) Jane.
ジェーンの犬はジェーンによってシロと名付けられた
能動態:\(SVOC\)
He left the door \(\color{red}{open}\;by\).
彼はドアを開けっ放しにした
\(→\) 受動態:\(SVC\)
The door \(was\;left\) \(\color{red}{open}\;by\) him.
ドアは彼が開けっ放しにした
彼〈によって〉開けっ放しに〈された〉

\(\boldsymbol{S+V+O\;+}\) 分詞・不定詞の受動態

第 \(5\) 文型の目的語の後に分詞や〈to 不定詞〉がくる文が受動態になる場合、 分詞、〈to 不定詞〉はそのまま動詞の後に置かれます。

能動態:\(SVOC\)
I saw the children \(\color{red}{playing}\) in the yard.
子供たちが庭で遊んでいるのを見た
\(→\) 受動態:\(SVC\)
The children \(was\;seen\) \(\color{red}{playing}\) in the yard \(by\) me.
子供たちは庭で遊んでいるのを私に見られた
能動態:\(SVOO\)
Mother asked me \(\color{red}{to\;bring}\) the dishes.
母は私に食器を持ってくるように頼んだ
\(→\) 受動態:\(SV\)
I was asked \(\color{red}{to\;bring}\) the dishies by Mother.
私は食器を持ってくるように母から頼まれた

\(\boldsymbol{S+V+O+}\) 原形不定詞の受動態

目的語の後に原形不定詞がくる文の受動態では、原形不定詞が〈to 不定詞〉に変化します。

能動態:使役動詞
He made us wait here for hours.
彼は〈私たちを〉ここで何時間も待たせた
\(→\) 受動態
We were made \(\color{red}{to\;wait}\) here for hours.
私たちは彼にここで何時間も待たされた
能動態:知覚動詞
I saw him enter the teacher's room.
私は〈彼が〉職員室に入るのを見た
\(→\) 受動態
He was seen \(\color{red}{to\;enter}\) the teacher's room by me.
彼は私に職員室に入るのを見られた

・\(\boldsymbol{They\;say\;+\;that}\) 節… :「…だと言われている」の構文

\(we,\;you,\;they\) など不特定の「一般の人々」を表す語を主語に say (言う)、think (思う)、expect (期待する)、believe(信じる)などの動詞を用い、 目的語が名詞節の文では、\(\boldsymbol{2}\) 通りの受動態の作り方が可能です。

\(\small{①}\) It is + 過去分詞 +that
形式主語〈\(it\)〉を用いて、名詞節を後ろに置く
\(\small{②}\) S + be動詞+過去分詞+[to 不定詞]
名詞節内の主語を文の主語に不定詞を用いる

行為者が「一般の人々」を表す語が主語の文の受動態では[\(by\;\sim\)]が不要になります。

They say that the man is a good doctor.
その男性は優れた医師であると言われている
\(→\;\small{①}\) \(It\;is\;said\;that\) the man is a good doctor.
\(\times\) That the man is a good doctor is said.
〈主語が長すぎる〉
\(→\;\small{②}\) \(\boldsymbol{\color{red}{The\;man}}\) is said to be a good doctor.
People believed that the earth was flat.
地球は平らだと信じられていた
\(→\;\small{①}\) \(It\;was\;believed\;that\) the earth was flat.
\(→\;\small{②}\) The earth \(was\;believed\;to\;be\) flat.
They expect that the Giants will win the game tonight.
ジャイアンツは今夜の試合に勝つであろうと期待されている
\(→\;\small{①}\) \(It\;is\;expected\;that\) the Giants will win the game tonight.
\(→\;\small{②}\) The Giants \(is\;expected\;to\;win\) the game tonight.

*\(to\;win\) は未来の意味を含みます

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