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過去完了

「\(2\) 年前の出来事 ~ 現在」のように、過去のある時点に起きた出来事が現在まで及ぶことを表わすのが現在完了になるのに対して、「\(10\) 年前の出来事 \(\;\sim\;5\) 年前」のように、過去のある時点より以前に起きた出来事が過去のある時点まで及ぶことを表わす言い方があり、これを過去完了といいます。

Keiko \(\boldsymbol{has}\) just \(\boldsymbol{been}\) to the library.
ケイコはちょうど図書館へ行ってきたところです

この文は、

\(\small{①}\) Keiko \(went\) to the library some hours ago.
\(\small{②}\) She \(is\) at home now.

という \(2\) つの出来事が現在を基準にしてつながっています。 一方、時の基準が現在ではなく、過去のある時点の場合、

「私が帰宅した時、母はちょうど買物から戻ったところだった。」

のように、「私が帰宅した」時に、それよりも少し以前の「母が買物から戻った」事柄が結びついています。

Mother \(\boldsymbol{\color{blue}{had}}\;just\;come\) home from shopping when I came home.

過去完了形:\(\boldsymbol{\color{blue}{had}\;+}\) 過去分詞

疑問文 : \(\boldsymbol{\color{blue}{Had}\;+\;S\;+}\) 過去分詞\(\boldsymbol{\;\sim\;?}\)
否定文 : \(\boldsymbol{S\;+\;\color{blue}{had}\;not\;[never]\;+}\) 過去分詞….
* had not = hadn't

疑問文
\(\boldsymbol{Had}\) he ever \(been\) abroad before he got married to Jane ?
彼はジェーンと〈結婚する前に〉海外へ行ったことがありましたか
―― Yes, he \(\boldsymbol{had}\).
―― はい、ありました
―― No, he \(\boldsymbol{hadn't}\).
―― いいえ、ありませんでした

否定文
I \(\boldsymbol{had}\) never \(seen\) a koala until I went to Australia.
私は〈オーストラリアへ行くまで〉コアラを見たことがなかった

過去完了形にも \(4\) つの用法があります。

継 続

「(ある過去の時点まで)ずっと~だった」という意味を表します。 現在完了形と同じく、用いる動詞はそれ自体継続の意味を含んだ状態を表すものに限られます。 また、動作の継続を表す場合は、

過去完了進行形 : \(\boldsymbol{had\;been\;+}\) 現在分詞

を用います。

\(Had\) you \(known\) Ichiro before he became a great baseball player ?
〈イチローが偉大な野球選手になる前から〉彼を知っていましたか
\(←\) 野球選手になった時よりも前に〈すでに〉知っていたか
I \(had\;been\) waiting two hours before Takeshi came.
〈タケシがやって来るまで〉\(2\) 時間ずっと待っていた
\(←\) タケシが来た時より〈以前に〉…

経 験

「(ある過去の時点までに)~したことがあった」という意味を表します。 現在完了形と同じく「経験」を表すことばが文に含まれます。

They \(\boldsymbol{had\;never}\;touched\) snow until they visited Japan.
〈彼らは日本を訪れるまで〉雪に触れたことがなかった

完 了

「(ある過去の時点に)~したところだった」という意味を表し、「完了」を表すことばが文に含まれます。

I \(\boldsymbol{had\;just}\;finished\) my homework when my father came home.
〈父が帰宅した時〉、ちょうど宿題を終えたところだった

結 果

「(ある過去の時点までには)~してしまっていた」という意味を表します。時の基準が「現在」から「過去のある時点」に変わっただけです。「完了」と「結果」用法における時の基準は、 主に接続詞 when, before [after], until [till] などで導かれる節で示されます。

The last train \(\boldsymbol{had}\;left\) when we got to the station.
〈私たちが駅に着いた時には〉、最終電車が出てしまった
\(←\) だから帰れなかった

大過去

この用法は、過去の \(2\) つの出来事の前後関係を明らかにする場合に用いる表現です。 「過去のある時」と「それよりも以前に起こったこと」を \(1\) つにまとめます。

The man \(\color{crimson}{helped}\) our son that \(\boldsymbol{had\;been}\) drowning in the river.
その男性は川で〈おぼれかけていた〉息子を助けた

時間の流れは、〈過 去〉 \(→\) 〈息子が川でおぼれかけた〉 \(→\) 〈男性が息子を助けた〉 \(→\) 〈現 在〉 のようになります。

Hiroshi \(\color{crimson}{took}\) a bath after he \(\boldsymbol{had}\;finished\) his homework.
ヒロシは〈宿題を済ませてから〉お風呂に入った

〈過 去〉 \(→\) 〈宿題を済ませた〉 \(→\) 〈お風呂に入った〉 \(→\) 〈現 在〉

\(2\) つの事柄が起きた前後関係を \(1\) つの文にまとめるときに〈大過去〉を用いますが、 このように、時間を追った表現をするには、過去時制を用いることもできます。

Our son \(was\;drowning\) in the river and the man \(helped\) him.
息子は川で〈おぼれかけた〉が、その男性が〈助けてくれた〉。

時制の一致による過去完了の利用

従属接続詞節を含む文(複文)において、主節の述語動詞と従属節の述語動詞との間にある 一定の法則を時制の一致といいますが、主節の動詞が現在形から過去形に変わると、従属節の動詞は、

主節の述語動詞 従属節の述語動詞
現在 → 過去 現在 → 過去
過去 → 過去完了
現在完了 → 過去完了

のように変化します。

He tells me that he \(has\;lost\) the ticket at home.
彼は私に切符を家に〈忘れてきた〉と言っている
\(→\) He told me that he \(\color{crimson}{\boldsymbol{had}\;lost}\) the ticket at home.
彼は私に〈切符を家に忘れてきた〉と言った
I think (that) they \(were\) not at home then.
彼らは〈その時家にいなかった〉と思う
\(→\) I thought (that) they \(\color{crimson}{\boldsymbol{hadn't}\;been}\) at home then.
彼らは〈その時家にいなかった〉と思った

次の \(2\) つの文を見てください。

\(a)\) Mike bought this camera five years \(\boldsymbol{ago}\).
\(b)\) Mike had bought this camera five years \(\boldsymbol{\color{blue}{before}}\).

どちらも、「マイクはこのカメラを\(5\) 年前に購入した」という意味になり、〈ago〉〈before〉は それぞれ「~前に」と言う意味の副詞ですが、使い方に違いがあります。

\(\boldsymbol{ago}\) … 現在から(ある時間)前に
\(\boldsymbol{before}\) … 過去のある時点から(ある時間)前に

\(ago\) は過去を表すことばで過去形に用います。 一方、\(befoere\) は過去のある時点を基準として「それ以前に」の意味を表し完了形に用います。

\(\times\) Mike bought this camera two years \(before\).

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